半兵衛調略のはずが…“大物”が釣れた瞬間に視聴者最注目 『豊臣兄弟!』第9話画面注視データを分析
●西美濃三人衆が織田信長に降る
テレビ画面を注視していたかどうかが分かる視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、8日に放送されたNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』(総合 毎週日曜20:00〜 ほか)の第9話「竹中半兵衛という男」の視聴分析をまとめた。

『豊臣兄弟!』第9話より (C)NHK
○「我らは今この時より、織田様に従いまする!」
最も注目されたのは20時25分で、注目度80.0%。西美濃三人衆が織田信長に降ったシーンだ。
小一郎(仲野太賀)、藤吉郎(池松壮亮)、蜂須賀正勝(高橋努)の3人は織田信長(小栗旬)から竹中半兵衛(菅田将暉)を調略するよう命じられる。しかし半兵衛が首を縦に振ることはなかった。菩提山城で半兵衛は、祖父から贈られた宋の書物に登場する知略に長けた軍師が三たび礼を尽くされて、初めて誘い受けいれた逸話を持ち出して回答を先送りするのだった。
庵へ戻ってきた3人は、斎藤方の兵に取り囲まれる。正体を見破られ抵抗するものの、数の差は如何ともしがたく3人は北方城へ連行される。不安がる正勝に、小一郎は人質にされるかもしれないと答えると、藤吉郎は立派になったと笑い出した。どこまでも楽天的である。
するとそこへ安藤守就・氏家直元(河内大和)・稲葉良通(嶋尾康史)がそろって現れた。「手荒なまねをしてすまぬ。どこに龍興様の忍びの目があるか分からんのでな」と守就が言う。西美濃三人衆がその場に腰を下ろすと、小一郎たちもそれにならった。彼らに敵意はなさそうだ。「我らはずっと迷うておったのだ。今の美濃は我らが守るべき国であろうか。道三様や義龍様が目指した強く新しき国であろうかと」と、直元がその胸中を吐露する。
守就は「迷うておる時言われた」と、信長なら新たな面白き世を必ず作る、という先日の小一郎の言葉を反芻した。「とっさに出た負け犬の遠吠えが、なぜかこの胸に棘のように刺さって抜けぬ」守就の言葉は次第に熱を帯びてくる。「たかが一家臣があの場であのようなことを口にするとは…織田信長がそうさせるのだとしたら、我らもいま一度、そのような主君のもとで真の侍として生きてみたい!」思いもよらない展開だ。
藤吉郎と小一郎が黙って話を聞いていると、西美濃三人衆はとうとう頭を下げ「我らは今この時より、織田様に従いまする!」と、信長への恭順を示した。正勝は驚き、藤吉郎と小一郎は笑みを浮かべた。

=『豊臣兄弟!』第9話の毎分注視データ推移
○「小一郎のまいた種が見事に発芽したね」
このシーンは、小一郎たちの思いもよらぬ大手柄に、視聴者の注目が集まったと考えられる。
これまで幾度となく信長の美濃進出を防いできた強敵・西美濃三人衆。斎藤家の重臣たる彼らだが、その心はすでに主君である斎藤龍興から離れつつあった。前回、揺れながらも北方城を守るために戦う守就と小一郎は出会った。命を失うかもしれない状況にあって、必死に説得してくる小一郎の姿に守就は感じ入るものがあったのだろう。ついに三人衆は信長へ付くことを決意した。
SNSでは「半兵衛を釣りに行ったら予想外の大物が釣れちゃった」「前回、小一郎のまいた種が見事に発芽したね」「守就には信長のために命を懸けている小一郎がうらやましく見えていたんだろうな」と一連の展開にコメントが集まった。
菩提山城は現在の岐阜県不破郡垂井町にある戦国時代の山城で、戦国武将・竹中半兵衛の居城として知られている。標高約400mの菩提山の山頂付近に築かれた山城で、美濃と近江の境に近い交通の要衝を押さえる重要な城だった。南北約260m・東西約60mの広がりを持つ山城だ。戦時の詰城と考えられていたが、本丸に建物跡が見つかり居住機能もあった可能性がある。
半兵衛の祖父は竹中重氏という。美濃の国人領主で、現在の岐阜県垂井町付近にあたる菩提山城を拠点とした竹中氏の基盤を築いた人物とされている。当時の美濃は土岐氏の守護体制のもとに多くの国人が属しており、竹中氏もその一族として西美濃で勢力を持っていた。
●斎藤龍興、竹中半兵衛の暗殺を命じる
第9話「竹中半兵衛という男」では、1566(永禄9)年から1567(永禄10)年の様子が描かれた。最も注目されたシーン以外の見どころを紹介していく。
まずは、傍若無人な振る舞いに歯止めがかからない斎藤龍興が挙げられる。小一郎たちが半兵衛に接触したことを知るや否や、義父である守就に暗殺を命じた。半兵衛が3年前に稲葉山城を乗っ取ったことを根に持っていた。反省を促した半兵衛の思いはまったく届いていなかった。SNSでは「半兵衛との会話聞いたあとだと、この龍興の会話のレベルが低い低い」「戦国名物上司のパワハラ!とことん王の器じゃないなぁ」と龍興への辛辣な批判が集まった。
○竹中半兵衛、信長に恭順する
次に半兵衛が信長に恭順したシーンが挙げられる。逃げようとする龍興を半兵衛が諫めている時、小一郎たちが抜け道を通って現れた。驚く半兵衛に小一郎は守就の言葉をヒントに抜け道を見つけたと告白する。そして3度目の交渉でついに半兵衛は信長に降ることを宣言した。
SNSでは「やっぱり半兵衛って小一郎にシンパシーを感じていそうだな」「半兵衛が味方になった時の藤吉郎のはしゃぎっぷりがすごい」といったコメントが集まった。また、半兵衛の強い相手とは味方になるよりも戦ってみたかったという言葉には「織田に付かなかった理由が織田と戦いたいからとは」「強い奴と戦いたい!自分の策で潰したい!ってめっちゃ武人の考え方だな」と、血の気の多い半兵衛へのツッコミも見られた。ストリートファイターの軍師版だ。
半兵衛のように三顧の礼で迎えられた武将には島左近が挙げられる。1586(天正14)年頃、左近の噂を聞きつけた石田三成が自ら何度も訪れて説得し、家臣に迎えた。その際、三成は自分の禄の半分を与えたと伝わっている。
○坂井喜左衛門(大倉孝二)、小一郎を叱咤激励する
最後に、覇気をなくした小一郎を叱咤激励した坂井喜左衛門の姿が挙げられる。
美濃三人衆を味方につけ、見事に竹中半兵衛を調略した小一郎。大仕事を成し遂げたはずの小一郎だったが、その心中にはむなしさだけが残っていた。直を喪った心の傷はまったく癒えてはいない。直の墓前に刀を置いたその時、喜左衛門が現れる。平伏する小一郎に喜左衛門は直と過ごした最後の夜の出来事を語った。喜左衛門は、直が小一郎ならやがて世の中から無駄な殺し合いはなくすことができると告げ、無理だという自分と賭けをしたと明かす。それを知らされた小一郎は涙ながらに直を勝たせると誓った。
SNSでは「こんなの泣くしかない。喜左衛門、本当にいいお父さんだな」「坂井さま、小一郎が直のことを心底想っていることが分かって胸が打たれたんだな」と、喜左衛門の娘への愛に称賛が集まった。また、去って行く喜左衛門に涙を流しながら深々と頭を下げて見送る藤吉郎の姿に「藤吉郎の弟への気遣いが本当に良い」「最初のほうは猿の功績ほとんど小一郎にとられるんじゃね?と懸念してたのが嘘のように、兄貴らしい描写が増えたね」と、多くのコメントが寄せられている。
史実での坂井喜左衛門は、戦国時代の尾張国・守山城主だった織田信次の家臣で、守山城の年寄衆を務めた人物。信次は信長の叔父にあたる。1555(弘治元)年に信次が起こした織田秀孝誤射事件の後も城に残り、のちに信長方へ転じる際に重要な役割を果たしたとされている。
きょう15日に放送される第10話「信長上洛」では、足利義昭(尾上右近)の使いとして明智光秀(要潤)が織田信長のもとを訪れる。そして信長は市(宮崎あおい)を浅井長政(中島歩)に嫁がせる。



(C)NHK

REVISIO 独自開発した人体認識センサー搭載の調査機器を一般家庭のテレビに設置し、「テレビの前にいる人は誰で、その人が画面をきちんと見ているか」がわかる視聴データを取得。広告主・広告会社・放送局など国内累計200社以上のクライアントに視聴分析サービスを提供している。本記事で使用した指標「注目度」は、テレビの前にいる人のうち、画面に視線を向けていた人の割合を表したもので、シーンにくぎづけになっている度合いを示す。 この著者の記事一覧はこちら
テレビ画面を注視していたかどうかが分かる視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、8日に放送されたNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』(総合 毎週日曜20:00〜 ほか)の第9話「竹中半兵衛という男」の視聴分析をまとめた。

○「我らは今この時より、織田様に従いまする!」
最も注目されたのは20時25分で、注目度80.0%。西美濃三人衆が織田信長に降ったシーンだ。
庵へ戻ってきた3人は、斎藤方の兵に取り囲まれる。正体を見破られ抵抗するものの、数の差は如何ともしがたく3人は北方城へ連行される。不安がる正勝に、小一郎は人質にされるかもしれないと答えると、藤吉郎は立派になったと笑い出した。どこまでも楽天的である。
するとそこへ安藤守就・氏家直元(河内大和)・稲葉良通(嶋尾康史)がそろって現れた。「手荒なまねをしてすまぬ。どこに龍興様の忍びの目があるか分からんのでな」と守就が言う。西美濃三人衆がその場に腰を下ろすと、小一郎たちもそれにならった。彼らに敵意はなさそうだ。「我らはずっと迷うておったのだ。今の美濃は我らが守るべき国であろうか。道三様や義龍様が目指した強く新しき国であろうかと」と、直元がその胸中を吐露する。
守就は「迷うておる時言われた」と、信長なら新たな面白き世を必ず作る、という先日の小一郎の言葉を反芻した。「とっさに出た負け犬の遠吠えが、なぜかこの胸に棘のように刺さって抜けぬ」守就の言葉は次第に熱を帯びてくる。「たかが一家臣があの場であのようなことを口にするとは…織田信長がそうさせるのだとしたら、我らもいま一度、そのような主君のもとで真の侍として生きてみたい!」思いもよらない展開だ。
藤吉郎と小一郎が黙って話を聞いていると、西美濃三人衆はとうとう頭を下げ「我らは今この時より、織田様に従いまする!」と、信長への恭順を示した。正勝は驚き、藤吉郎と小一郎は笑みを浮かべた。

○「小一郎のまいた種が見事に発芽したね」
このシーンは、小一郎たちの思いもよらぬ大手柄に、視聴者の注目が集まったと考えられる。
これまで幾度となく信長の美濃進出を防いできた強敵・西美濃三人衆。斎藤家の重臣たる彼らだが、その心はすでに主君である斎藤龍興から離れつつあった。前回、揺れながらも北方城を守るために戦う守就と小一郎は出会った。命を失うかもしれない状況にあって、必死に説得してくる小一郎の姿に守就は感じ入るものがあったのだろう。ついに三人衆は信長へ付くことを決意した。
SNSでは「半兵衛を釣りに行ったら予想外の大物が釣れちゃった」「前回、小一郎のまいた種が見事に発芽したね」「守就には信長のために命を懸けている小一郎がうらやましく見えていたんだろうな」と一連の展開にコメントが集まった。
菩提山城は現在の岐阜県不破郡垂井町にある戦国時代の山城で、戦国武将・竹中半兵衛の居城として知られている。標高約400mの菩提山の山頂付近に築かれた山城で、美濃と近江の境に近い交通の要衝を押さえる重要な城だった。南北約260m・東西約60mの広がりを持つ山城だ。戦時の詰城と考えられていたが、本丸に建物跡が見つかり居住機能もあった可能性がある。
半兵衛の祖父は竹中重氏という。美濃の国人領主で、現在の岐阜県垂井町付近にあたる菩提山城を拠点とした竹中氏の基盤を築いた人物とされている。当時の美濃は土岐氏の守護体制のもとに多くの国人が属しており、竹中氏もその一族として西美濃で勢力を持っていた。
●斎藤龍興、竹中半兵衛の暗殺を命じる
第9話「竹中半兵衛という男」では、1566(永禄9)年から1567(永禄10)年の様子が描かれた。最も注目されたシーン以外の見どころを紹介していく。
まずは、傍若無人な振る舞いに歯止めがかからない斎藤龍興が挙げられる。小一郎たちが半兵衛に接触したことを知るや否や、義父である守就に暗殺を命じた。半兵衛が3年前に稲葉山城を乗っ取ったことを根に持っていた。反省を促した半兵衛の思いはまったく届いていなかった。SNSでは「半兵衛との会話聞いたあとだと、この龍興の会話のレベルが低い低い」「戦国名物上司のパワハラ!とことん王の器じゃないなぁ」と龍興への辛辣な批判が集まった。
○竹中半兵衛、信長に恭順する
次に半兵衛が信長に恭順したシーンが挙げられる。逃げようとする龍興を半兵衛が諫めている時、小一郎たちが抜け道を通って現れた。驚く半兵衛に小一郎は守就の言葉をヒントに抜け道を見つけたと告白する。そして3度目の交渉でついに半兵衛は信長に降ることを宣言した。
SNSでは「やっぱり半兵衛って小一郎にシンパシーを感じていそうだな」「半兵衛が味方になった時の藤吉郎のはしゃぎっぷりがすごい」といったコメントが集まった。また、半兵衛の強い相手とは味方になるよりも戦ってみたかったという言葉には「織田に付かなかった理由が織田と戦いたいからとは」「強い奴と戦いたい!自分の策で潰したい!ってめっちゃ武人の考え方だな」と、血の気の多い半兵衛へのツッコミも見られた。ストリートファイターの軍師版だ。
半兵衛のように三顧の礼で迎えられた武将には島左近が挙げられる。1586(天正14)年頃、左近の噂を聞きつけた石田三成が自ら何度も訪れて説得し、家臣に迎えた。その際、三成は自分の禄の半分を与えたと伝わっている。
○坂井喜左衛門(大倉孝二)、小一郎を叱咤激励する
最後に、覇気をなくした小一郎を叱咤激励した坂井喜左衛門の姿が挙げられる。
美濃三人衆を味方につけ、見事に竹中半兵衛を調略した小一郎。大仕事を成し遂げたはずの小一郎だったが、その心中にはむなしさだけが残っていた。直を喪った心の傷はまったく癒えてはいない。直の墓前に刀を置いたその時、喜左衛門が現れる。平伏する小一郎に喜左衛門は直と過ごした最後の夜の出来事を語った。喜左衛門は、直が小一郎ならやがて世の中から無駄な殺し合いはなくすことができると告げ、無理だという自分と賭けをしたと明かす。それを知らされた小一郎は涙ながらに直を勝たせると誓った。
SNSでは「こんなの泣くしかない。喜左衛門、本当にいいお父さんだな」「坂井さま、小一郎が直のことを心底想っていることが分かって胸が打たれたんだな」と、喜左衛門の娘への愛に称賛が集まった。また、去って行く喜左衛門に涙を流しながら深々と頭を下げて見送る藤吉郎の姿に「藤吉郎の弟への気遣いが本当に良い」「最初のほうは猿の功績ほとんど小一郎にとられるんじゃね?と懸念してたのが嘘のように、兄貴らしい描写が増えたね」と、多くのコメントが寄せられている。
史実での坂井喜左衛門は、戦国時代の尾張国・守山城主だった織田信次の家臣で、守山城の年寄衆を務めた人物。信次は信長の叔父にあたる。1555(弘治元)年に信次が起こした織田秀孝誤射事件の後も城に残り、のちに信長方へ転じる際に重要な役割を果たしたとされている。
きょう15日に放送される第10話「信長上洛」では、足利義昭(尾上右近)の使いとして明智光秀(要潤)が織田信長のもとを訪れる。そして信長は市(宮崎あおい)を浅井長政(中島歩)に嫁がせる。



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