リールが7日、チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦の第2戦で、マンチェスター・ユナイテッドに1−0で敗れ、ベスト8入りを逃した。

 試合は終始マンUのペースだったものの、リールも堅い守りで相手に決定的なチャンスを作らせず、豊富な運動量で再三ゴールに迫った。しかし第1戦で見せたような見事な連係は少なく、パスやボールコントロールにやや荒さが目立った。第1戦を欠場したゲームメーカーのケイタ(コートジボワール代表)はこの試合、持ち味の爆発的な突破力を欠いた。マンUの状態もベストとはいえなかったが、相手ディフェンスの一瞬のゆるみを突き、数少ないチャンスを確実に得点に結びつけた。

 リールのピュエル監督が試合後レキップ紙に語った言葉が、敗因を的確にとらえている。「我々は激しい試合をしたが、ひらめきが足りなかった。パス回しに冷静さを欠き、相手を危険に陥れることができなかった。第2戦をうまく運び、2試合に勝ったマンUは、準々決勝進出に値するプレーをした。しかし我々のパフォーマンスにも恥じるところは何もない」と悔しさの中にも晴れやかさが感じられる。

 選手たちの表情も晴れやかだった。カナル・プリュス局のインタビューに答えたシャルメ(DF)は、「互角に戦ったと思うが、“何かひとつ”が欠けていた。それを持っていたのがマンチェスターだった。相手の小さなミスを確実にチャンスにつなげていく強さがあった。CLはすべてがよい経験になった。来季もまたチャレンジできるように、残るリーグ戦で頑張りたい」と強豪との“格の違い”を謙虚に認め、笑顔で語った。

 各メディアも前日のリヨン敗退に落胆した反応とは違い、リールの健闘を称えている。レキップ紙は「成熟さは足りなかったが、夢の舞台で恥ずかしくない試合をした。“堂々たる”敗退」と評価している。

 リヨンとリールの敗退で、3年ぶりにフランス勢が欧州8強から姿を消すことになった。