ABS秋田放送

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人の生活圏でのクマの出没や農作物への被害が続く中、いま、特に頭を悩ませているのが収穫期を迎えたリンゴ園の農家です。

地元の猟友会と協力しながら、この秋の被害を抑えようと努力を続けています。

実りの秋にクマの対応に奔走する“ハンター”と農家を取材しました。

■「50年やってて初めて」リンゴ農家の苦悩

先週、横手市雄物川町のリンゴ園に現れた一頭のクマ。

辺りを歩きまわると…。

慣れた様子でリンゴの木に登り始めます。

すると…。枝が折られ大きく上下に揺さぶられる様子が確認できます。

その後、木を降り近くのやぶの中へと姿を消しました。

夜が明け農家が園内を見回ると…。

農家
「毎日夜来ています。50年ちょっといままでやって初めて。これだけの被害は」「実際問題として3回(クマを)見たもんですから」「やっぱ災害級だと思います。これだけ人の近くに出てきて」

被害はここだけではありません。

周辺の複数のリンゴ園にも及んでいます。

農家②
「クマ登った跡、爪の跡。この枝も折っちゃって。生半可でないな」「こっちもみんな折れてる。来年ならないなだめだ」「こうひどくやられては。ちょっと容易でない」

■夏から続く農作物の被害 秋の大量出没を予感させる声も

クマによる被害は、出没が特に増えたこの秋だけではありません。

雄物川地区では夏から農作物の被害が続いていました。

農家
「あっ、ここもだ。あーあ、かなりやってたほれ。んーーー」

7月には、まだ色づく前のスイカが。

その後も被害は続き、収穫の時季を迎えた真っ赤な大玉も。

8月に入るとメロンを狙われました。

さらにはトウモロコシと、地区全域の畑で被害が続き、対応にあたる地元の猟友会のメンバーからは、この秋のクマの大量出没を予感させる声が出ていました。

猟友会のメンバー
「去年おととしの状況さ似ている。ただそれもその時よりも(出没が)早い」「今年の場合はちょっと異常だ」

■猟友会のメンバーだけでは足りず…市職員や農家も捕獲用のおりの管理を

ハンター歴60年を超える猟友会のメンバー。

その予感通り、この秋はクマの目撃に伴う警戒出動や捕獲用のおりの設置などで、毎日のように奔走する日々が続いています。

猟友会メンバー
「捕獲した場合、そのあとの処理そういうのも人手かかるし。どうしてもやっぱりマンパワーが」「何とかいままでやってきたんですけども、この状態でいけばパンクどころでなくて、もうやっていかれないっていうような実情なんで」

かつてないクマの異常出没で農作物への被害が絶えない今年の秋。

重さ200キロを超える捕獲用のおりの管理は、猟友会のメンバーだけでは手が足りず、市の職員やリンゴ園の農家も加わっています。

猟友会メンバー
「あーいがった」「手伝ってもらっていがった。やっぱり人手がよんだがら。いがった、いがった。うまく掛かってければいいけどな、んだな~」
農家
「なんだべ今年なもうめちゃくちゃだ」「皆で協力してやるしかない」

農家
「秋になってクマにやられる。本当にくやしいことです」「やっぱり皆で協力してやっていかないと、被害が拡大するだけであって」

猟友会メンバー
「農家の人方に一つでもちょっとでもためになればいいなと思って、毎日こういう風に出てきているんですけれども」「農家の人方にも手伝ってもらわなければできないという実情なんで」

■学習能力が高いクマ 捕獲用のおり内のエサだけとったり…県境を越えてきたり…

被害をいくらでも少なくしようと猟友会や農家が模索する中、学習能力が高いとされるクマは…。

捕獲用のおりの扉が作動する「踏み板」をかわし、エサだけとって逃げる個体も現れ始めているといいます。

さらにこの地域では、先月下旬、個体を識別するためのタグが耳についた、クマが捕獲されました。

その後の調査で、隣の山形で一度捕獲され放たれたクマであることがわかりました。

県境の山々を越え、遠くまで移動しさらに人の生活圏へと深く入り込んできているクマ。

かげりを見せない出没に、農家も“ハンター”も頭を悩ませながら対応にあたる苦労の日々が続いています。