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 ◇プロボクシング ヘビー級 ジェイク・ポール <8回戦> マイク・タイソン(2024年11月15日 米テキサス州アーリントン AT&Tスタジアム)

 プロボクシング元統一世界ヘビー級王者のマイク・タイソン(58=米国)が19年ぶりに“公式戦”のリングに上がる。ユーチューバー兼ボクサーのジェイク・ポール(27=同)と15日(日本時間16日)、米テキサス州アーリントンのNFLカウボーイズの本拠AT&Tスタジアムで対戦する。タイソンは05年6月にケビン・マクブライド(アイルランド)に6回TKO負けして引退。20年には元4階級制覇王者ロイ・ジョーンズ(米国)とエキシビションのリングに上がっていた。

 14日(同15日)には前日計量が行われた。タイソンは体重計の上で淡々とした表情だったが、パンツ一丁のままポールへ向かってスタスタと近づくと、挑発的なポーズをしてきた相手に右手で強烈なビンタをかました。ポールは怒るそぶりも見せず「痛くないぞ」とばかりにおどけて手を叩き、座り込んでヨガポーズ。関係者に取り囲まれたタイソンはブーイングの中、「話は終わりだ」とツーショット撮影にもインタビューにも応じず引き上げ、ポールは「彼は怒った妖精だね。もう個人の問題だ。あいつは死ななきゃならない」などと暴言を吐いた。体重はタイソンが228.4ポンド(約103.6キロ)、ポールが227.2ポンド(約103.0キロ)だった。

 ポールはYouTube登録者数2000万人以上を誇る世界的インフルエンサー。コンテンツ制作の一環として18年にボクサーデビューし、自らプロモーション会社を立ち上げて世界王者と契約するなど、順調にボクシングビジネスを展開している。自身は10勝(7KO)1敗だが、対戦相手はユーチューバーや元アスリート。今回の試合も通常10オンス(約283グラム)のグローブは14オンス(約396グラム)、試合時間も通常より短い2分×8ラウンドで、31歳という両者の年齢差からも対戦を疑問視する関係者も多い。

 当初は7月20日に予定されていた試合は、タイソンが5月に潰瘍を再発させて延期されていた。試合へ向けたドキュメンタリー番組では「飛行機のトイレで血を吐いた。気づいたら倒れていた。病院で2.5インチ(約6.35センチ)の潰瘍があると言われた」と再発について説明し、医師に「俺は死ぬのか?」と尋ねて否定されなかったことも明かした。その後は食事を変え、7月から練習を再開していた。