『太陽を抱く月』出演、39歳で突然この世を去ったソン・ジェリムさん 優しく、誠実だった俳優人生【写真】

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日本でも放送された韓国ドラマ『太陽を抱く月』などに出演した俳優ソン・ジェリムさんが空の星になった。

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彼は自身のインスタグラムに「長い旅が始まる」と短い文章を残し、コメント欄を閉鎖した。その時は、これが世の中と別れるという意志だということを誰も知らなかった。

ソウル城東(ソンドン)警察署によると、ソン・ジェリムさんは11月12日にこの世を去った。39歳だった。

昼食を一緒に食べることを約束していた友人が、彼の自宅を訪問した際にソン・ジェリムさんを発見し、警察に通報した。現場にはメッセージが書かれたA4用紙2枚があったという。

1985年2月18日生まれのソン・ジェリムさんは、2009年に映画『女優たち』(原題)で俳優デビューした。

ソン・ジェリムさん(2012年撮影)

彼を一躍有名にした作品は、韓国で驚異の視聴率40%を記録し、日本でも人気を博した2012年のMBCドラマ『太陽を抱く月』だった。

陽明君(ヤンミョングン)役を演じた俳優チョン・イルの積極的な推薦で、俳優キム・スヒョン演じる若き王イ・フォンを守る寡黙な護衛役キム・ジェウン役にキャスティングされた。

当時、ソン・ジェリムさんには「チャグォルナム(冷たい宮廷の男)」というニックネームも付けられた。まだデビューした間もない新人だったが、ドラマファンを中心に大きな関心を受けた。

一方で、悩みの多い性格だった。気を遣うあまり、痩せてしまう体質でもあった。

『太陽を抱く月』の撮影当時は体重が58kgまで減ったという。キム・スヒョンが「自分よりも顔が小さい」と言及したほどだ。サプリメントを飲み、わざと6kg増量したこともあった。

ソン・ジェリムさん(2014年撮影)

その後、2014年に出演したMBCバラエティ番組『私たち結婚しました』では、“仮想妻”役の女優キム・ソウンとともにより大きな愛を受けた。こちらが恥ずかしくなるようなコメントも上手く、そのおかげで彼の認知度もさらに高まった。

バラエティで得た人気は、ドラマの主演起用に繋がった。2016〜2017年にSBSで放送されたドラマ『パーフェクトカップル 〜恋は試行錯誤〜』のホ・カプトル役で、地上波ドラマで初めて主人公を演じた。ヒロインのシン・カプスン役を演じたのは、前出の『私たち結婚しました』で共演したキム・ソウンだった。

以降も、ソン・ジェリムさんやドラマや映画などさまざまな作品で主演を演じた。

ドラマでは『秘密の女たち』(2018年)、『とにかくアツく掃除しろ! 〜恋した彼は潔癖王子!?』(2019年)、『君の歌を聴かせて』(2019年)、『ビッグデータ恋愛』(原題、2019年)、『まだ、慣れない30歳』(原題、2021年)で、映画では『トンネル 3D』(原題、2014年)、『俗物たち』(原題、2019年)、『狂った愛』(原題、2019年)、『夜叉 -容赦なき工作戦』(原題、2022年)で主演を務めた。

ただ、いずれの作品も決して大きく注目されたわけではなかった。その点でも、負担が大きかったものと考えられる。

ソン・ジェリムさん(2015年撮影)

今年は、日本でもKNTVで放送されているTVINGオリジナルの時代劇ドラマ『于氏王后(ウシワンフ)』(原題)、同じくKNTVで放送予定のドラマ『マイ・ミリタリー・バレンタイン』(原題)に出演した。

また、昨年12月から今年2月にかけては演劇『ワイフ』(原題)、今年7〜10月にかけてはミュージカル『ベルサイユのばら』にも出演していた。

モデルとして芸能生活をスタートさせ、俳優として人生を終えた。始まりは雑草のようだった。チャンスがあれば、映画の端役やミュージックビデオ、広告も選ばなかった。

ソン・ジェリムさん(2019年撮影)

信念の強い俳優だった。毎日1箱は吸っていたタバコも、2013年にやめた。17年間も家計簿をつけ続けるほど、誠実な人間だった。

2022年にKBS2バラエティ番組『新商品発売〜コンビニレストラン』に出演した際には、「家賃を払っていた部屋で眺めていたあのマンション」として家を購入したことも告白した。

「こんなに苦労して、大変な思いで生きてきて成し遂げたのに、なぜこのように寂しく行ってしまったのか」。あるネットユーザーは、悲痛な心情をコメントに残していた。

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