【女子野球】東西オールスターは東軍が勝利、引退の日本代表・三浦伊織が2盗塁
◆関東/関西/大学 オールスターゲームズ イン東近江最終日(10日、滋賀県東近江市ひばり公園湖東スタジアム)
東西の女子硬式野球リーグ選抜チームによる5年目の「東西オールスター」第2戦が行われ、東日本選抜(ヴィーナスリーグ)が5―2で西日本選抜(ラッキーリーグ)に勝利した。日本代表「マドンナジャパン」の主力として活躍した阪神タイガースWomenの三浦伊織外野手(32)が、この日をもって現役引退。1番センターでフル出場し無安打2四球だったが、二塁盗塁を2回決め「ヒットが打てなかったのは心残りですが、盗塁が久しぶりに出来ました。すっきりしました」と晴れやかにラストゲームを終えた。
三浦は、かつて存在した女子プロ野球に2010年の創設時から11年間プレー、高校までプレーしたテニスで高校総体4位に入った技を生かした、ミートの器用さと広い外野守備から「女イチロー」と呼ばれたことも。代表では12年の女子野球W杯から5大会連続で出場し、今年夏の7連覇にも貢献した。
昨年ごろから衰えを感じ、コロナ禍で延期していたW杯が今年6年ぶりに行われたことを節目に引退を決意。「私の中でヒットを打つのが楽しくて続けていましたが、それがこの2年、自分の思うようなバッティングが出来なかった。しんどかったですね。未練はありません」ときっぱり。思い出のシーンには、「やはりW杯ですね。(14年の)宮崎大会や(18年の)米国大会が輝いていたかな」と振り返った。
共に戦ったW杯戦士も引退を惜しんだ。東軍監督を務めた日本代表の中島梨紗監督(ZENKO)は、現役時代は投手として女子プロ野球でも対戦。「ボール球を振ってくれない、いやなバッターでした。抑えた記憶があまりないです」と懐かしがる。引退後は代表監督として同じユニホームを着たが、「いろんな役割をやってもらいましたが、やる時はやってくれる。伊織がいなかったら勝てない試合も多かった」と振り返った。同じく女子プロで何度も対戦し代表ではチームメイトだった里綾実投手(西武ライオンズレディース)も、「敵では本当に嫌でしたが、味方では心強い選手で何度も助けてくれました。W杯で先発を任された時って、流れを相手にやれない厳しい試合展開になりますが、いつも突破口を開いて得点してくれた」と感謝した。
東軍の2勝で終えた5回目の大会は、これで東軍が3勝1敗1分けとした(通算成績は東軍の8勝6敗2分)。中島監督は力の差は感じなかったものの、ヴィーナスリーグの方が年間試合数が1チームあたり33試合と多かった分、試合勘も選手同士も良く知っていたからではと分析。さらに「イベントですが本気で勝ちに行こうと伝えていたのが浸透していたと思う。初参加の選手もよく動いてくれた」と評価した。西軍戦の前には大学選抜との試合も行われ、東軍が7―4で勝利した。