床田とのキャッチボールで笑顔を見せる遠藤(撮影・畠山賢大)

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 広島の遠藤淳志投手(25)が試行錯誤の秋を過ごしている。高卒7年目の今季は自身3年ぶりの未勝利に終わった。現状に危機感を抱く中、10月のフェニックスリーグでは先発の「楽しさ」を再認識し、先輩である床田寛樹投手(29)からはアドバイスを授かった。

 秋季練習が休養日だった29日のマツダスタジアム。秋晴れの下、グラウンドには遠藤と床田の姿があった。遠藤の球を床田が受ける形で行われたキャッチボール。歴戦の左腕からは「良いボールと悪いボールの差が激しすぎる」と指摘された。一球ごとに言葉を交わしながら、的確な助言を受けた。

 元々、踏み出す足がクロス気味に入る投球フォーム。右打者の内角には強く噴いていくような直球が投げられる一方、右打者の外角には「あまり感覚が良くない時にクロス気味に体が入って回転して引っかけてしまうところがある」。床田からは軸足の投球プレートを踏む位置を真ん中から一塁側に変更することを薦められた。「ずっと悪いなら、何かを修正して変えていかないと、また同じ結果になるんじゃない?」と言われた。

 7年目の今季は1軍で3試合の登板にとどまり0勝0敗、防御率4・50。先発として2020年に5勝、22年に4勝を挙げているが、今季は先発登板もなかった。実績があるだけに周囲が求めるハードルも高くなる。「もうあとがないと思って、覚悟を持ってやらないと来年どうかってところなので、しっかり来年結果を出せるように今年のオフは練習の虫になるくらいやらないといけないと思っています」と言葉にも気持ちがこもっている。

 宮崎で行われたフェニックスリーグでは13日・楽天戦(天福)で先発し、7回1/3を5安打3失点(自責点2)。今季はファームでも中継ぎ登板が多かった中、「フェニックスで久しぶりに先発をして、あそこまで投げられることが分かって、先発の楽しさを改めて感じた。野球をやっている以上はやっぱり先発をやりたいという思いが強い。大地さん、床さん、亜蓮さん、森下さんを追い抜くくらいの気持ちじゃないと割って入れないと思うので、そのくらいの気持ちでやっていきたい」と思いを新たにした。

 目指す場所はまっさらなマウンド。先輩からのアドバイスも頼りに腕を振っていく。(デイリースポーツ・畠山賢大)