衆院選「裏金議員」の落選相次ぐ 自公過半数割れ…どうなる政権枠組み
衆議院選挙で自民党のいわゆる「裏金議員」の落選が相次ぎました。
【写真】ANN出口調査「裏金」考慮 与党支持層でも7割自民・公明両党で過半数割れしたことで、政権の枠組みはどうなるのでしょうか。
■“裏金議員”の落選が相次ぐ 自民・公明両党で過半数割れ定数は465、過半数は233です。
公示前の勢力は、自民党が247で単独過半数、公明党と合わせて279でした。
選挙の結果、自民党が191で単独過半数割れ。
公明党は24で、自公あわせても過半数に届きませんでした。
一方で、野党の立憲民主党は148、50議席増やし、国民民主党は28と公示前の4倍に伸ばしました。
日本維新の会は公示前から6減らして、38でした。
自民党 石破茂 総理「政治とカネということで、非常に厳しい審判をいただいた。これから先どうやって政策を実行していくのか。そのことに向けて、最大限努力していかなければならない」
辞任については、否定しました。
自民党 森山裕 幹事長「過半数を目標に努力してきたが、目標を達成することができなかったことは、大変申し訳なく思っている。国政が混乱することなく、補正予算、来年度予算の編成に微力を尽くしていきたい」
こちらも辞任については否定しました。
自民党と連立を組む公明党の石井代表は、落選しました。
公明党 石井啓一 代表「(裏金事件の)不記載に対する国民の怒りが押し寄せてきた。連立を組んでいる与党として、同じように見えてしまうのは否めない」
大物議員では、下村博文さんが落選です。
不記載額が476万円で、党から「党員資格停止1年」の処分を受けました。
立憲の阿久津さんに、2万3672票差で敗れました。
「政治とカネの問題で党員資格停止1年を受け、無所属の戦いで当初から大変厳しい戦いだった。私の不徳の致すところ。申し訳なく思う」■ANN出口調査「裏金」考慮 与党支持層でも7割
テレビ朝日などが行った出口調査です。
●比例の投票先
自民党が約28%、立憲民主党が約23%、国民民主党が約11%
●投票する際に裏金問題を考慮したか
各党支持層に聞いたところ、自民党支持層は約71%、立憲民主党支持層は約87%が裏金問題を考慮したと回答
●無党派層の投票行動
比例の投票先は、立憲民主党が約23%、国民民主党が約16%、自民党が約15%
自民公明で過半数を割り込みました。今後の政権の枠組みは、どうなるのでしょうか。
自民党が191議席、公明党が24議席(計215議席)で、過半数(233議席)まであと18議席足りません。
野党による政権交代になるのでしょうか。立憲は148議席、過半数まであと85議席です。
自民党 石破茂 総理「どの政策であれば一緒にやれるのかということが、優先順位として一番上に来るべき。連立なのか閣外協力なのか、いろんなやり方があると思う」公明党 石井啓一 代表
「自公で過半数を取れないということになれば、ご協力いただける政党への働きかけということもありうる」政治ジャーナリスト 田崎 史郎氏
「特別国会での首班指名選挙に向けて、多数派工作を進めることになる」
野党側はどうでしょうか。
立憲民主党 野田佳彦 代表「各党との誠意ある対話をしていきたい。自公政権が継続してはダメだという立場であると同時に、抜本的な政治改革の推進をするという点で一致点があるならば、対話はしていきたい」日本維新の会 馬場伸幸 代表
「政治とカネの問題がクリアにならない以上、与党を信用するわけにはいかない。(立憲と)連立を組めば、自民倒してよかった。ただ、そのあと何もなかったとなる。そういう所をサポートすることもできない」国民民主党 玉木雄一郎 代表
「政権に入るということになると、政権の一員になるので、同意していないことについても同意しなくてはいけない。政策本位で、政策ごとに、我々が必要だと思う相手と必要な協議をしていく」■「裏金非公認に2000万円」問題 自民に追い打ち
衆議院選挙で、自民公明の与党が大きく議席を減らし、過半数を割り込みました。選挙戦終盤に出てきた「2000万円問題」です。
23日、裏金問題で非公認にした候補が支部長を務める政党支部に対して、自民党本部が2000万円の「活動費」を支給したという報道が出ました。
自民党は、公認候補には、公認料500万円と活動費1500万円を支給しています。
影響について…
公明党 関係者「2000万円問題が、最後の決定打になった」自民党 幹部
「最後はあれで空気がガラッと変わった」
野党には“追い風”です。
立憲民主党 幹部「2000万円問題の影響もあり、終盤は立憲の勢いがあった」自民党 石破茂 総理
Q.2000万円問題、国民感覚とのズレがあったのでは?
「それは、承知しています。政権復帰以来、ずっと長く政権を担当させていただいた。常に自らを律しなければならないが、どこかに『緩み』『おごり』があった。私自身反省をしている」下村 博文氏
「私自身は2000万円の入金があったわけではないが、いわゆる裏金議員ということで、私も同じように見られた。ものすごくマイナスになった」政治ジャーナリスト 田崎 史郎氏
「『2000万円問題』は、ただでさえ裏金問題で逆風下にあった自民党に、追い打ちをかけた。自民離れを加速させ、議席を落とした。自公過半数割れへのダメ押しとなった」
※政治ジャーナリスト田崎 史郎氏の「崎」の正式表記は「たつさき」です