勝利目前で強打に沈んだヤ軍 サヨナラ敗戦を生んだ強打者への“満塁策”に批判も「フリーマンが決断の代償を払わせた」

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土壇場で勝負強さを発揮したフリーマン。(C)Getty Images

 ドラマティックな結末に日米両球界が沸いた。

 現地時間10月25日、本拠地でヤンキースとのワールドシリーズ第1戦に臨んだドジャースは、延長10回にフレディ・フリーマンの逆転満塁弾でサヨナラ勝ち。土壇場での打線の奮起でシーソーゲームを制した。

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 試合終盤、追い込まれていたのはドジャースだった。2-2で迎えた10回表に併殺崩れの感にもぎ取られた1点で勝ち越され、その裏の攻撃も早々と1アウトを取られていた。

 この苦しい状況を打破したのは、レギュラーシーズンも猛威を振るった強力打線だった。

 8番のギャビン・ラックスが四球で出塁すると、続くトミー・エドマンも二塁への内野安打で出塁。好機で1番の大谷翔平は左翼フライに倒れたが、それぞれ走者は進塁。一気に一打サヨナラ勝利もありえる2死二、三塁とした。

 ヤンキースからすれば、あと1アウトで先勝できる局面。ゆえに彼らは動いた。マウンドにいたのが左腕のネストル・コルテスであったため、左と左のマッチアップであれば、打ち取れる確率は上がる。そこで右打者のムーキー・ベッツを申告敬遠で歩かせ、左打者のフレディ・フリーマンとの勝負を決めたのだ。

 だが、フリーマンは文字通り一振りでヤンキースの目論見を打ち崩した。コルテスが初球に内角低めに投じた92.5マイル(約148.8キロ)の4シームをフリーマンが強振。本人がバットを高々と突き上げながら見送った打球は、瞬く間に右翼席の中段に着弾。ドジャースタジアムのファンが狂喜乱舞するサヨナラ満塁弾となった。

 独特な緊張感の中で続いた投手戦を、最後はホームチームがベテランの勝負強さでモノにした。このハイレベルなワールドシリーズ第1戦の試合展開には米記者も興奮気味だ。ドジャースの専門サイト『Dodgers Nation』のノア・カムラス記者は自身のXで「ドジャース史上最高のヒットのひとつだ」と絶賛。その上でヤンキースの満塁策を皮肉った。

「ヤンキースはベッツを歩かせ、2アウトからフレディ・フリーマンと勝負するために満塁にする選択をした。ただ、ドジャースとフリーマンは決断の代償を払わせた。なんというか、オー・マイ・ゴッドだ」

 この劇的な試合展開でドジャースの勢いは加速するのか。山本由伸が先発登板予定となっている現地時間10月26日の第2戦も大いに注目を集めそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]