24日、米アリゾナ州で開かれた集会で発言するトランプ前大統領(ロイター=共同)

 【ワシントン共同】米大統領選の共和党候補トランプ前大統領が主要争点の不法移民問題を巡り、米国は「世界にとってのごみ箱のようだ」と発言したことが物議を醸している。バイデン民主党政権の国境管理が不十分だと批判する趣旨とされるが、移民を人間扱いせず「脅迫的」(米メディア)との指摘が上がる。

 この発言があったのは激戦州の西部アリゾナで24日に開かれた集会。メキシコ国境に接するアリゾナでは不法移民問題への関心が高く、11月5日の投開票日が迫る中、有権者の投票行動に影響を与える可能性がある。

 トランプ氏は集会で、バイデン大統領や民主党候補ハリス副大統領が不法移民の急増を招いたとし「怒りを感じる」と非難。「ごみ箱のようだ」と発言したのは初めてとした上で「とても正しい描写だ」と正当化した。

 ハリス氏は今月25日、発言について「トランプ氏がいかに私たちの国を卑下しているかを示す新たな実例だ」と指摘。大統領としての適格性に改めて疑問を呈した。