金丸を引き当て喜ぶ中日・井上監督(左)と肩を落とす(右から)巨人・阿部監督、阪神・藤川監督、DeNA・三浦監督(撮影・金田祐二)

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 「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」(24日、都内ホテル)

 監督として初のドラフトを終えた阪神・藤川新監督は充実感に包まれていた。首元には猛虎を意識した鮮やかな黄色のネクタイ。点数こそつけなかったが「ほぼ、プラン通り」と胸を張り、「さすがの編成力。いろんなプランを練っていたところにきっちりハマった」とスカウト陣をねぎらった。

 ドラフト1位には2回目の入札でNTT西日本・伊原の交渉権を獲得。「即戦力として、どうしても欲しい選手だった。まずはほっとしている」と率直な思いを語り、「先発で考えている。ゲームがやりやすくなる投手」と具体的な起用法を明かしたところに期待の大きさがうかがえた。

 1位から3位まで投手を指名した。「戦力をさらに厚くするのが当たり前。ストロングポイントを生かしているだけ」と投手王国をさらに盤石のものとする構えだ。2位では地元の報徳学園・今朝丸を選択。「3、4年後には、十分未来が見られる投手」と歓迎した。

 1回目の入札では関大・金丸を指名。中日、DeNA、巨人とセ・リーグ4球団が競合した。“火の玉”が宿る右腕で3番目にくじを引いたが、交渉権は中日へ。壇上で無念の表情を浮かべた。「両サイドが僕を見ていたので当たったなと思ったが、遠い縁でした」と苦笑いを浮かべた。「彼の人生が幸せであることを願っている」。同一リーグのライバルとなる左腕へ異例のエールを送ったのも新監督らしかった。

 “初仕事”を終えて「1位の(指名)時は長かった。ほとんどの監督さんが『緊張する』と言っていた通り」と疲れた表情も浮かべたが、実りあるドラフトとなったことは間違いなかった。