同点ゴールを決めた小林 photo/Getty Images

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2017年より監督に就任し、数々のタイトルをクラブにもたらしてきた川崎フロンターレ指揮官鬼木達監督の退任発表があった2日後の試合となった2024明治安田J1リーグ第34節ガンバ大阪との試合は1-1のドローに終わった。

ホームの川崎は序盤、ガンバにペースを握られる形となり、7分にサイドから崩されて失点。その後もシンプルにSBの背後をついてくるガンバの早い攻撃に苦戦した。攻撃面では左サイドのマルシーニョを中心にゴールに迫るが、今シーズンは堅守を誇るガンバの守備を前にゴールを奪えない状況が続く。

後半は川崎ペースで試合は進むも、最後のフィニッシュの部分で精度を欠く。そんな川崎の流れが大きく変わったのは68分の4枚替えだ。2トップの山田とエリソンに代え、小林と家長を投入。さらにマルシーニョと瀬川に代えて、山内と遠野がピッチに入った。

遠野と山内も両サイドを活性化させ、その両サイドに家長が顔を出し、攻撃のリズムを作る。2トップの位置に家長は投入されたが、自由に動きまわり、これまでなかった流動性が攻撃に生まれた。これによってガンバの守備陣にギャップが生まれると、81分。ゴール前で家長がボールを収めると、抜け出した遠野へスルーパス。そのクロスを最後は小林がヘディングで叩き込み、なかなか取れなかった同点ゴールが生まれた。

家長がリズムを作り、最後は小林がストライカーの仕事をする。鬼木監督も信頼する2人のベテランを中心に遠野も合わせた交代したメンバー3人の連携からゴールが生まれ、まさに采配的中という形になった。

試合後、鬼木監督は試合の流れを変えた4人交代について、「後半のもう少し早い時間で4人を投入してもいいかなと思っていました。ただ、ゲームが途切れ途切れになってたので、前線の選手たちもまだパワーが十分有り余っていたと思うので」と、交代のタイミングに言及し、続けて「自分としては押し込み始めていて、最後の質のところになると思っていたので、そういう意味で4人を代えました。昨日のトレーニングでもサブ組は非常に良かったし、練習でいい選手たちが結果を出すんだなぁと改めて思いました」と話している。

さらに4人を一度に交代した理由については、「勢いのところですね。やっぱり2人ずつというよりは一気に代えた方がメッセージとしては強いものになると思う」と語り、最後には「選手も把握できるかなと思って4人を送り出しました」と、この交代による監督の意図を選手たちなら汲み取ってくれるだろうと、選手たちへの信頼も言葉にしている。

また値千金の同点ゴールを決めた小林について、鬼木監督は「悠に関してはこういう時にというか、その前の新潟戦もそうですけど、彼が最後、数多くチャンス作ったりシュート打ったりしてましたし、気持ちの部分がよく見られる選手。本人にも言いましたけど、悠ならやってくれるかなっていう思いがあったので良かったです」と信頼に応えたストライカーを称賛した。