FC東京の遠藤渓太【写真:徳原隆元】

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FC東京の遠藤渓太は先制ゴールをマークした

 FC東京は10月18日、J1リーグ第34節でヴィッセル神戸と対戦して2-0の完勝を収めた。

 試合前のウォーミングアップでFW俵積田晃太が負傷するアクシデントが発生。急遽、ベンチメンバーのMF遠藤渓太が先発出場した。その遠藤が前半17分に先制ゴールをマーク。6試合ぶりの先発出場で結果を残した遠藤は試合後にこれまでの悔しさを明かした。

 誰よりも強い思いを持っていた男のところにボールが飛んできた。前半17分、MF東慶悟がアイデア性のあるふわりとしたパスをゴール前へ入れると、MF荒木遼太郎が胸で落とす。これを遠藤が左足のボレーシュートでネットを揺らした。

 今季5点目、7月20日の鹿島アントラーズ戦以来となる約3か月ぶりの一撃には募る思いがあった。第29節のサンフレッチェ広島戦で先発を外れ、5試合の連続途中出場。第30節名古屋グランパス戦では2アシストで4-1の勝利に貢献したが、ウニオン・ベルリン時代の元同僚MF原口元気がプレーする浦和レッズ戦、古巣の横浜F・マリノス戦でもスタメンに返り咲くことはできなかった。

「プレッシャーを感じる必要もないし、お前の持っているメンタリティーを示せ」

 神戸戦で急遽出番を得た遠藤にピーター・クラモフスキー監督はこう伝えた。燃えているはずの遠藤をさらに発奮させた。それに見事に応えたのだ。

「正直自分も監督とぶつかったこともあったし、いろんな人にも意見を言って……と、そういう時期があった。黙って、普通に負けて終わるわけにいかなかった。『俺は示したぜ』という感じで1点取れた。自分は追っかけなきゃいけない立場だし、アピールにはなったかな」

 決意の完全移籍でFC東京に加入し、負傷で離脱する辛い期間も過ごした。“やってやる”という覚悟を持って――。今季ラストまで遠藤は魂を込めて駆け抜ける。(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)