トランプ氏、関税引き上げを強調 自身の経済政策擁護

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James Oliphant

[15日 ロイター] - 米大統領選の共和党候補、トランプ前大統領は15日、保護主義的だと指摘されている貿易政策など自身の経済政策について、連邦政府の債務増加につながることはないと主張し、関税引き上げに意欲を示した。

トランプ氏はシカゴ経済クラブで行われたインタビューで「われわれは成長に全力を尽くしている。企業を米国に呼び戻すつもりだ」と強調した。

インタビューを行ったブルームバーグ・ニュースのミックレスウェイト編集長は予算アナリストの予測を引用し、トランプ氏の計画に基づくと債務が2035年までに7兆5000億ドル増加すると指摘。これは大統領選の民主党候補ハリス副大統領が支持する政策の2倍以上になる。

トランプ氏は、中国だけでなく欧州連合(EU)など同盟国からの製品にも高額な関税を課す自身の政策が国内製造業を活性化させ、財政赤字拡大懸念を和らげるのに十分な収入をもたらすと主張。「私にとって世界で最も美しい言葉は『関税』だ」と語った。

トランプ氏はその後、アトランタでの女性だけのフォックス主催のイベントで、低所得層対象の追加減税に向けて取り組むと述べた。「我々は誰にとっても公平になるよう物事を再調整する」とし、「一部の人々にとっては不公平であり、そうした状況を容認しない」と語った。

一部の専門家からは、トランプ氏の関税案は国内経済に打撃を与え、雇用を危険にさらし、物価を押し上げるとの指摘も出ている。

トランプ氏は「米国内に工場を建設するだけで良い。関税はかからない」と述べ「大きな影響が出るという点では同意する。ただ、マイナスではなくプラスの影響だ」と述べた。

メキシコで組み立てられ輸入される自動車に最大200%の関税を課すと改めて表明した。外国企業に米国内での製造を促すためドイツなどの国から輸入する車に関税を課すとも述べた。

ミックレスウェイト氏がこうした取り組みは米国が中国と競争するために必要な同盟国を苛立たせるかもしれないと指摘すると、トランプ氏は「同盟国は敵よりも我々を利用してきた」と述べた。

トランプ氏は以前、大統領として米連邦準備理事会(FRB)を統制できるはずだと述べていたが、インタビューで政策金利の設定について「私は金利を少し上げるか下げるかを言う権利があると思う」と述べ、「命令するのは許されないと思うが、金利を上げるべきか下げるべきか意見を述べる権利はあると思う」と語った。

パウエルFRB議長を解任するかどうかの質問には答えなかった。