試合後、親し気に言葉を交わす菅原(中央)とライアン(左端)。ユニホーム交換も行なった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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[北中米W杯アジア最終予選]日本 1−1 オーストラリア/10月15日/埼玉スタジアム2002

 森保ジャパンは10月15日、オーストラリアと対戦し、1−1でドロー。最終予選開幕からの連勝が3でストップした。

 この日も菅原由勢(サウサンプトン)に出番は訪れず。昨年は右SBのレギュラーに君臨し、9月のドイツ撃破の立役者にもなったが、5試合連続、4か月代表で出場機会なしとなった。

 一体なぜか。今年6月からの3−4−2−1採用で、ポジションを失う形になっているのだ。オーストラリア戦後、菅原に現在の率直な心境を尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「システムが変わったから出られなくなったって言われたらそうかもしれないけど、システムが変わってもなお自分が使われるような立ち位置にならなきゃいけない。もっともっと自分がどういう選手かを(所属)チームと代表で証明していかなければ、ピッチに立つことは難しいと思う。

 現状起きていることは理由があって起きていることなので、チャンスが来るまでしっかり準備することと、まずはチームで。チームでの戦いも甘くないし、もちろん厳しい戦いがあるので、それに向けてしっかり良い準備を続けることが大事かなと思う」
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 24歳の日本代表DFは今夏、オランダのAZからサウサンプトンにステップアップを果たした。開幕からここまで、世界最高峰のプレミアリーグ全試合で先発を続けるなか、身を置く環境には、大いに手応えを感じているようだ。

「1試合1試合で自分のベストを尽くさないとやられてしまう環境。そういう環境にいること自体がプレミアリーグの素晴らしさだと思う。そういったなかで自分自身のレベルをどう上げていくか。プレミアリーグのサウサンプトンという素晴らしいクラブに移籍できて、ここからしっかり積み重ねて、もっともっとレベルアップして、代表を救えるような選手になれたらなと思う」

 ハーフタイムとタイムアップ時には、AZで共闘したオーストラリア代表の控えGKマシュー・ライアン(ローマ)と、かなり親しげに言葉を交わしていた。

「ローマに行った理由だとか、ローマがどうとか、プレミアリーグがどうとかって話や、僕と彼が置かれている状況のところを話しました。AZにいた時も同じアジア枠の選手だったので、すごい仲良くしていたし、『いつか最終予選でやれるね』って話はしていたので、お互いピッチに立ててやれたらもっと良かったですけど、次はピッチで会おうみたいな感じで終わりました」

 オーストラリアとは来年に6月に敵地で再戦する。その際、元AZの2人はピッチ上で再会を果たせるか。プレミアリーグとセリエAでのさらなる活躍が求められる。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)