スタッフと選手間の関係性について話してくれた鎌田。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 2024年10月14日、北中米ワールドカップのアジア最終予選でオーストラリア代表と戦う日本代表の前日会見で、体調不良の遠藤航に代わって登壇した守田英正が選手とスタッフ間の結束について語る場面があった。

「アジア杯後、森保監督を中心にチームがスタートして高いレベルで要求し合える関係になってきた。チーム内のルールや秩序が大前提としてあったなかで、個々のキャラクターや考え方を共有する時間やきっかけ、機会は以前よりも増えています。

選手とスタッフの関係値は今、良いものだなと。チーム力という意味の一体感は今が一番です。僕は森保さんが監督就任されてから招集されていますが、今が一番、僕が調子いいからとかではなく、チーム力は今が一番良いのかなと」

 その発言からは選手の意見をスタッフが上手く吸い上げているスタンスが感じ取れる。「みんな割と選手間で話したりしていて、森保さんが選手たちから話を聞いている感じで、それらをまとめて森保さんが最終的に決断していて。珍しい形だと思います」との鎌田大地の証言からもそのスタンスは分かるだろう。

「クラブで良い監督とやっている選手もいるなかで、みんなで話していると良い意見がたくさん出てきて、それが反映されています」(鎌田)
 
 スタッフとのコミュニケーションについては堂安律も「僕も色々と意見を言わせてもらっている。良い関係を築けています」と話している。

 もっとも、森保監督に「どうしたほうがいい?」と訊かれるわけではない。具体的には、ミーティングで言われたことを実際にピッチでやってみて、「ここは難しい」という部分を選手間で話し合って、「こうしたほうがいい」となればキャプテンの遠藤航から森保監督に伝えてもらったり、または名波浩コーチと一緒に考えたりしている。

 ただ、鎌田自身は「僕はあまり関与していない」とコメント。加えて「自分から進んで喋るタイプではない」とも言っていた。

「僕は監督の要求、それが正しいか否かはさておき、まずはそこに応えようと。その中で自分の良さを出せるように考えています。監督をできるだけ尊重してやろうという意識はあります」

 全員が全員、意見を出す必要はない。鎌田のような選手がいることでチームのバランスが保たれている部分はあるはずだ。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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