NY市場サマリー(11日)ドル横ばい、ダウ・S&P最高値 利回り低下
<為替> ドルが主要通貨に対し横ばいで推移した。一連の米経済指標で連邦準備理事会(FRB)が現在の金融政策路線を維持するとの観測が裏付けられ、市場では消化する動きが続いている。
労働省がこの日発表した9月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前年比1.8%上昇。食品価格の上昇を背景に市場予想の1.6%上昇を上回ったものの、7カ月ぶりの小幅な伸びにとどまった。
前日発表の9月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%上昇。市場予想の2.3%をやや上回ったものの、2021年2月以来約3年半ぶりの小幅な伸びにとどまった。
CMEフェドウオッチによると、FRBが11月の会合で0.25%ポイントの利下げ決定する確率は91%。金利据え置きを決定する確率は9%。
主要通貨に対するドル指数は横ばいの102.91。前日は、FRBによる大幅利下げ観測の後退を背景に103を超える水準に上昇し、8月半ば以来の高値を付けていた。
ユーロ/ドルは横ばいの1.1093ドル。
英ポンド/ドルは0.08%高の1.3072ドル。
ドル/円は0.35%高の149.12円。
中国人民元は0.22%高の1ドル=7.067元。
暗号資産(仮想通貨)では、ビットコインが5.38%高の6万2930.00ドル、イーサが3.8%高の2456.70ドル。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 国債利回りが低下した。9月の消費者物価指数と卸売物価指数を受け、米連邦準備理事会(FRB)が来月の会合で利下げを継続するとの観測が裏付けられた。
労働省がこの日発表した9月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前年比1.8%上昇。食品価格の上昇を背景に市場予想の1.6%上昇を上回ったものの、7カ月ぶりの小幅な伸びにとどまった。
前日発表の9月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%上昇。市場予想の2.3%をやや上回ったものの、2021年2月以来約3年半ぶりの小幅な伸びにとどまった。
LSEGによると、来月の会合で0.25%ポイントの利下げが決定される確率は91%。これに対し、金利据え置きが決定される確率は9%にとどまっている。
終盤の取引で10年債利回りは2.1ベーシスポイント(bp)低下の4.073%。
2年債利回りは5.4bp低下の3.945%。週初からは6.7bp低下した。
30年債利回りは横ばいの4.386%。一時は4.421%と、10週ぶりの高水準を付けた。週初からは12bp上昇している。
2年債と10年債の利回り格差はプラス13.2bp。短期債利回りが長期債利回りよりも急激に低下しており、一段の利下げが予想されていることが示唆されている。
来週14日には米債券市場はコロンブスデーの祝日のため休場となる。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 米国株式市場はS&P総合500種とダウ工業株30種が最高値で引けた。銀行大手の堅調な四半期決算を追い風に、金融株の買いが膨らんだ。また、朝方発表されたインフレ指標を受け、連邦準備理事会(FRB)が11月に利下げを実施するという観測が強まった。
JPモルガン・チェースが発表した第3・四半期決算は2%の減益となったものの、投資銀行業務は好調で、純金利収入が増加したことから、1株当たり利益は市場予想を上回った。
ウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)の四半期決算は、貸し倒れに備えた引当金の額が前年同期の12億ドルから10億7000万ドルに減少したことが寄与し、利益がアナリストの予想を上回った。
週足では、S&Pが1.1%、ダウが1.2%、ナスダック総合が1.1%それぞれ上昇。いずれも5週続伸となった。
11日発表された9月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前年比1.8%上昇した。食品価格の上昇を背景に市場予想の1.6%上昇を上回ったものの、7カ月ぶりの小幅な伸びにとどまった。
同じくこの日に発表された米ミシガン大消費者信頼感指数(速報値)は68.9と、前月の70.1から低下した。アナリスト予想は70.8だった。
CMEのフェドウオッチによると、今週発表されたデータを受け、市場はFRBが約88%の確率で11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイント(bp)の利下げを実施すると予想。金利を据え置く確率は12%となった。
電気自動車(EV)大手テスラが一時8.8%下落したことを受け、S&P一般消費財の売り圧力が強まった。開発中のロボタクシー(自動運転タクシー)を発表したものの、生産拡大計画や規制当局の承認獲得といった具体的な時期の見通しを明らかにしなかったことが嫌気された。
銀行の好決算を手がかりに、S&P金融は1.95%高、S&P500銀行株指数は4.2%高で終了。KBW地方銀行株指数は3.4%高。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 対ユーロのドル高が一服したことで金の需要が高まり、続伸した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比37.00ドル(1.40%)高の1オンス=2676.30ドル。週間では0.32%上昇した。
米労働省が朝方発表した9月の卸売物価指数(PPI)は前月比で横ばいとなり、市場予想の0.1%上昇を下回った。米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に追加利下げを実施するとの見方が維持されたことで、外国為替市場では、ユーロ高・ドル安地合いに反転。ドル建てで取引される金の割安感が意識され、相場はじりじりと上値を拡大した。
一方、イスラエル軍の戦車は10日、レバノン南部ナクラにある国連レバノン暫定軍(UNIFIL)本部の監視塔を砲撃。インドネシア国籍の隊員2人が病院に搬送された。国際社会から非難が殺到する中、改めて抑制が効かない中東情勢のリスクが意識され、安全資産としての金への引き合いが強まった。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 前日に急伸した反動から利益確定の売りなどが入り、反落した。米国産標準油種 WTIの中心限月11月物は前日清算値(終値に相当)比0.29ドル(0.38%)安 の1バレル=75.56ドルだった。週間では1.59%高だった。12月物は0.26ドル安の74.85ドル。
前日の原油先物相場は、ハリケーン「ミルトン」の影響で、石油関連のインフラに影響が及ぶとの見方が広がる中、3%超高となった。この日は前日の急伸の反動から週末を前 に利益確定や持ち高調整の売りが優勢となった。ただ、イスラエルによるイランの石油施設への報復攻撃の可能性がくすぶる中、エネルギー供給混乱を警戒した買いが引き続き入り、相場の下値は限定的。中国政府が今週末にも追加の景気刺激策を発表するとの観測が浮上する中、同国からのエネルギー需要見通しに期待も広がっている。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 149.13/149.16
始値 149.06
高値 149.28
安値 148.82
ユーロ/ドル NY終値 1.0937/1.0939
始値 1.0935
高値 1.0952
安値 1.0927
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 97*13.50 4.4058%
前営業日終値 97*24.50 4.3850%
10年債(指標銘柄) 17時05分 98*07.00 4.0963%
前営業日終値 98*07.50 4.0940%
5年債(指標銘柄) 17時05分 98*07.00 3.8982%
前営業日終値 98*04.00 3.9190%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*04.88 3.9533%
前営業日終値 99*02.00 3.9990%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 42863.86 +409.74 +0.97
前営業日終値 42454.12
ナスダック総合 18342.94 +60.89 +0.33
前営業日終値 18282.05
S&P総合500種 5815.03 +34.98 +0.61
前営業日終値 5780.05
COMEX金 12月限 2676.3 +37.0
前営業日終値 2639.3
COMEX銀 12月限 3175.5 +51.5
前営業日終値 3124.0
北海ブレント 12月限 79.04 ‐0.36
前営業日終値 79.40
米WTI先物 11月限 75.56 ‐0.29
前営業日終値 75.85
CRB商品指数 290.9926 +0.3636
前営業日終値 290.6290