横浜流星

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 この俳優は誰? 次回作のNHK大河で主演を務める横浜流星(よこはまりゅうせい・28)をご存じない方もいるだろう。それもそのはず、彼の人気はまだまだ若い女性中心で、年輩の視聴者にはなじみがないから。そんな俳優に大河の大役が務まるのかと、早くも不安視する声が上がっているが……。

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 来年1月から放送が始まるNHK大河「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)〜」。クランクインは今年5月に済ませており、

「ようやく最近、スタッフTシャツのデザインが完成。ちょっとダサいものの、それでもやっぱり記念になりますから、申し込みが殺到しているようです」(NHK関係者)

 同作品は喜多川歌麿や葛飾北斎を見いだした“江戸のメディア王”こと蔦屋重三郎の生涯を描く。

横浜流星

「主役の重三郎を演じるのが流星君。今のところ神奈川の緑山スタジオと茨城のワープステーション江戸を使い、1シーンごとに丁寧に撮っています」(同)

「マスコミからの批判に慣れていない」

 撮影は順調に進行しているが、横浜の俳優としての“格”を不安視する声があるという。

 スポーツ紙の芸能担当記者によれば、

「貴公子のような整った顔立ちに、空手などのアクションを本格的にこなす肉体を兼ね備えた流星は、雑誌やウェブサイトの“抱かれたい男ランキング”の常連で、若い女性を中心に高い人気を誇る。一方で著名な代表作がなく、特に高齢者にはさほど知られていません。地上波の連ドラで主演を張ったこと自体がまだ少ないのです。『べらぼう』の主演に発表された時は“まさかの大抜てきだ”と、業界中に激震が走りました」

 横浜は力不足なのか。

「これまで彼は、若手のホープとして徐々に名を上げている藤井道人監督(38)の作品に何作も出演するなど、どちらかといえば通好みの路線を歩んできました。大作の現場経験が不足しており、それはつまり、マスコミからの厳しい批判に慣れていない、ということでもあります」(同)

 大河は少しでも視聴率が低ければ厳しい記事を書かれるので、

「生真面目な性格で知られる彼が、世間の声を必要以上に受け止めてしまい、スランプに陥る可能性もあるでしょう」(同)

“ひょうたんから駒”

 とはいえ、NHKが選んだのにはそれなりの理由がある。

「近年、若者のテレビ離れを食い止めるために、NHKは若年層向けのキャスティングに力を入れています。しかし、超が付く売れっ子はなかなかスケジュールを押さえられません。大河の主演を引き受けると、約1年にわたる撮影期間中、ほぼ他の仕事を入れられなくなるからです」(大手芸能事務所関係者)

 大河ドラマに若年層を呼び込もうとする戦略には、賛否両論ありそうである。

「彼は“格”という意味ではイマイチですが、映画『春に散る』でボクサーを演じるにあたって実際にプロテストを受けるなど、ひたむきな役作りに定評があります。スキャンダルもなく、NHKにとってはひょうたんから駒だったのでしょう」(同)

 コラムニストの吉田潮氏はこう言う。

「大抜てきを受け、たしかにプレッシャーはあるでしょうけど、是非とも乗り越えていただきたい。高い演技力を誇る流星さんなら可能だと思います。今までは“美しき武人”のイメージでしたが、重三郎という“文人”を演じることに成功すれば、より役者としての幅が広がるはずです」

「週刊新潮」2024年10月3日号 掲載