歌舞伎町に姿を見せた広瀬すず(写真・金谷千治)

「秋の夜長」と呼ぶのにふさわしいこの日、夕方の新宿区歌舞伎町はいつものように歓楽街の賑わいを見せていた。

 その一角の駐車場を貸し切り、撮影に臨んでいたのは女優の広瀬すず。大勢のロケスタッフが準備をするなか、広瀬は気持ちを作っているのか終始、真剣な表情を浮かべていた。

「現在、広瀬さんが撮影しているのは、SF系の大型ドラマ作品です。金銭的にも期間的にも大規模な制作がおこなわれており、この日も広瀬さんの“役作り”にかなりの時間が割かれていました」(芸能事務所関係者)

 猫耳型のニット帽を被り、エキゾチックな雰囲気のダボダボな洋服。首からはスマートフォンを下げた“奇抜”な格好の広瀬だが、なにより注目すべきはその「顔面」だった。

「今回の広瀬さんの役柄は、顔に痣があるという設定です。そのため毎回、顔の左半分に大きな痣の特殊メイクを施しています」(同前)

 撮影中は、気だるそうな様子だけでなく、時には道路へ嘔吐するような動作を見せるなど、熱演を見せる広瀬。周囲は人出が増えて騒がしくなっても、ロケはしばらく続けられた。

「ここ最近の広瀬さんの役どころは、デビュー当初の“アイドル女優”的な明るいヒロインではなくなってきています。

 2025年公開予定の映画『宝島』では、戦後の沖縄で米軍基地に忍び込んでいた孤児グループの一人を演じますし、同年公開される世界的小説家のカズオ・イシグロ氏のデビュー作を原作にした映画『遠い山なみの光』では、戦後にイギリスに移住した日本人女性の主人公を務めます。

 広瀬さんは、役を引き受けるときの意識が随分変わってきているそうです。これまでなら『こういう役はやっていなかったからやってみよう』と思って引き受けていたそうですが、今は『無理せずにやりたいことができたらいい』と考えているといいます。

 年齢を重ねるにつれ、役を“自分の人生”として考えるようになったそうです」(映像制作会社スタッフ)

 今回のドラマに関しては、現場からの熱烈なオファーがあったようだ。

「メインキャストからも直々に『広瀬さんと是非』との声がかかったようです。それが、多忙を極めるなかでも引き受けた理由の一つですよ」(同前)

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