巨人最終戦の先発、後半戦不調の山崎伊に託す…中継ぎ投入プランに「一人で行きます」とアピール
巨人4―2DeNA(セ・リーグ=2日)――巨人が今季最終戦を白星で飾った。
三回に佐々木の適時打とオコエの2ランで主導権を握り、先発の山崎伊が2年連続の10勝に到達した。DeNAは3位が確定。
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巨人の首脳陣は、最終戦の先発を10勝目がかかる山崎伊に託した。杉内投手チーフコーチが勝ちパターンの中継ぎも控えることを伝えると、こう返してきたという。「一人で行きます」。山崎伊にとってはアピールの場でもあった。
相手は6日前に三回途中9安打4失点と打たれたDeNA。この日は粘りが違った。三回無死一塁では、牧をキレの良いカットボールで空振り三振に仕留め、続く佐野をシュートで遊ゴロ併殺に。リードしたまま七回途中で交代し、ファンから大きな拍手を送られた。
9月28日にリーグ優勝を決めたチームは、クライマックスシリーズ(CS)の備えに着手した。「良さそうな子をベンチに入れる」と阿部監督。ベテランや体調に不安がある主力を休ませつつ、若手に生き残りをかけて競わせた。
開幕からカード初戦を任されてきた山崎伊も安泰ではなかった。7勝2敗の前半戦から一転、後半戦は2勝4敗と失速し、ファームでの再調整も味わった。「こういう場でもう一度投げさせてくれた監督、コーチに感謝したい」。気迫の105球で復調を示した。
試合前、祝福に訪れた長嶋茂雄終身名誉監督はナインに、「まだまだ」と激励の言葉を贈ったという。山崎伊が力投しただけでなく、三回に新人・佐々木の適時打とオコエの2ランで3得点と、攻撃では脇役たちが躍動した。生きの良い選手が多いほど、一戦必勝の短期決戦で戦術の幅は広がっていく。(福井浩介)