とちぎテレビ

将来の建設業を支える担い手の確保が課題になる中、仕事のやりがいや魅力を伝えようと、9月19日、栃木県宇都宮市内の高校で職業体験が行われました。

宇都宮工業高校で行われた職業体験には、建築デザイン科の2年生およそ40人が参加しました。生徒たちは鉄筋、タイル、内装、それに左官などの職人たちから直接指導を受けながら、プロの技を学びました。

この職業体験は、大手ゼネコンの清水建設と、取り引きのある栃木県内の企業でつくる団体が、建設業の担い手を確保しようと5年前から開いているもので、19日は7社が参加しました。

参加した企業によりますと、これまで建設業は他の業種に比べて長労働時間など、マイナスイメージを持つ人が多く、担い手不足を肌で感じているといいます。しかし、今年6月に「担い手3法」が改正されたことにより、長時間労働への対策として、明らかに短い工期での契約をしないよう対策を強化するなど、労働環境が改善しつつあるということです。

生徒たちは職人の技に触れながら、やりがいについて質問をするなど、楽しく建設の仕事の魅力を学んでいました。

参加した生徒は「職人さんが普段やっている仕事内容を体験することで、身近に感じられてとてもよかった」「自分は左官に興味があり、実際に体験できて楽しかった。自分の将来について考えるきっかけになりました」などと話しました。

職業体験を主催した、清水建設東京支店栃木営業所の長澤酉工事長は「ものづくりに対して誇りを持ってやっているので、そういったところを生徒さんたちに伝えたいと思いました」と話し、同じく主催した水建設取引業者青年部の波多野健壽部長は「宇都宮の活気が出てきていて、それにともなって建設物などの工事受注がかなり増えてきている体感がある。できれば、建設業界に残ってもらい、地元に貢献できる力になってもらえれば」と笑顔を見せました。