とちぎテレビ

全国的に書店の数が減り、栃木県内でも1軒も店舗がない自治体がある中、益子町では町に1軒しかない新しく出版された様々な分野の本を扱う書店が18日、移転オープンしました。

益子町唯一の新刊総合書店、創業123年目の添谷書店です。1962年に建てられた店舗が老朽化したことなどから、真向かいに新築の店舗を建て、18日に新たにオープンしました。開店後も納品された本を棚に出したりポスターの位置を決めたりと大忙しです。

(常連客)

「オープンを楽しみにしていました。オープンまでの間は違う地区まで(本を)買いに行かなくてはいけなかったので、身近にたくさんの種類の本が置いてある書店があるのはすごくいいことだと思います」

益子町では2023年、別の書店が閉店し、町内にある新刊の総合書店はこの店だけとなりました。5代目店主の添谷恭平さんによりますと、店ではこれまでほかの店と差別化するため、美術書を中心に扱っていました。

電子書籍やインターネット販売の拡大で紙の本の売上が下がる中でも、扱う分野を増やし、地域の需要にこたえる決断をしました。

(添谷恭平さん)

「可能な限り、引き継いでいかなくてはいけない。少しでも町の本屋として、インフラとして、少しでも機能できるようにしたい。長く続けて、変わらず地元の方々に愛される本屋さんになっていけるように頑張りたい」

出版文化産業振興財団の調査によりますと、書店が1店舗もない自治体が今年3月時点で全体の27.7%にのぼっています。また日本出版インフラセンターによりますと、栃木県内では野木町、塩谷町、那珂川町に書店がないということです。