2022年10月、Twitter(現・X)はイーロン・マスク氏によって440億ドル(約6兆4510億円)で買収されました。その後、評価額は半年で買収額の3分の1である150億ドル(約2兆2000億円)まで下がりました。評価額が回復しないことについて「いい投資だった」と問題視しない投資家がいる一方、「マスク氏は莫大な富の破壊を行っている」と非難する声も出ています。

How much Twitter’s top investors have lost on Musk’s deal - The Washington Post

https://www.washingtonpost.com/technology/2024/09/01/musk-twitter-investors-underwater/



Twitter Investor Says Elon Musk "Destroyed" App's Value

https://www.mediaite.com/news/twitter-investor-accuses-elon-musk-of-tanking-value-of-app-tremendous-amount-of-wealth-destruction/

Twitterの買収にあたって、資産運用会社のフィデリティ投信は資金を提供し、買収時点で3億1600万ドル(約463億円)相当の株式を手にしました。しかし、約2年で評価額は8800万ドル(約129億円)相当と、もとの27%にまで落ち込んだそうです。

フィデリティの保有するX株の価値は、2023年12月末時点で「71.5%目減りした」と報じられているので、さらに1.5ポイント下がっていることになります。

The Washington Postの取材によれば、サウジアラビアのアル=ワリード・ビン・タラール王子はX株を14億ドル(約2052億円)分購入しており、評価額が5億3000万ドル(約777億円)まで下がったものの「我々は価値を、最低でも購入時の水準で評価している」と述べ、投資に満足している様子だったとのこと。

しかし一方で、投資家のロス・ガーバー氏は「マスク氏はTwitterを買収して以来、莫大な富を破壊してきました」と語り、マスク氏の動きを批判しているそうです。

Xは広告収益の減少が報告されており、その要因の1つとして、リンダ・ヤッカリーノCEOの施策をマスク氏が台無しにしていることが指摘されています。

X(旧Twitter)のリンダ・ヤッカリーノCEOが進める営業をいつもイーロン・マスクがぶち壊すとの指摘 - GIGAZINE



ガーバー氏は「いくらであれ出資した人々に対して、マスク氏が『なぜ金を失ったのか』を説明しようとするのは、楽しい話ではありません」と語ったとのこと。なお、ガーバー氏の出資額は100万ドル(約1億4600万円)未満だそうです。