人気の平屋。フロアが1つなら、トイレと洗面も1つあれば十分と思っていませんか。延床面積34坪の平屋の家を建てたライターは、寝室とDKの間と、玄関や水回りに近い場所の2か所に、トイレと洗面台を設置しました。おかげで朝の支度もスムーズ、渋滞することもなし。家庭内感染防止にも役立っています。トイレづくりの工夫を詳しく紹介。

平屋でもトイレと洗面台は2つほしい

筆者は、夫と子ども3人の5人家族で暮らしています。1人目の子どもが小学生になるタイミングで、家を建てたいと計画し、7年前にハウスメーカーで、延床面積34坪の平屋の家を建てました。

それまで住んでいた賃貸マンションでは、トイレと洗面台が1つの生活。とてもストレスでした。とくに朝は、トイレを使うタイミングが重なり、よく渋滞していました。

当時、長女が3歳で、トイレが待てない年頃。「もれるー!」と言われて、あわてたことが何度もありました。また、洗面台もひとりが顔を洗っていると、歯磨きをしたい人が磨けなかったり、待たれる方も落ち着いて洗面台を使えなかったり。

そんな経験から、家を建てるときは、絶対にトイレと洗面台は2つにしよう、と決めていました。そうして建てたのが、上の間取りの家です。

希望どおり、トイレと洗面台は2つずつ設置しました(赤マルの部分)。

1つ目のトイレと洗面台は、寝室とDKの間に設置

筆者が朝起きたらすることは、トイレへ行って、手を洗って、顔を洗って、そして朝食の準備です。そこで、毎朝のルーティンがスムーズにできるよう、寝室とDKの間にトイレと洗面台をつくりました。

希望どおり、朝の動作はスムーズに行えることはもちろん、寝る前の歯磨き、トイレ、寝る動作もスムーズです。

子育てをしていると、自分のことにプラスして、子どもの仕上げ磨き、トイレ誘導、寝かしつけもあります。この一連の流れを、スムーズに終えることができて満足しています。

それだけではありません。夜中にトイレに行きたいときも、トイレと寝室が近いので、苦になりません。子どもも安心してトイレをすることができます。

また、キッチンが近いので、夜寝る前や、夜中にノドが渇いたなというときには、すぐに水分補給ができます。

デメリットは、音や光の問題

寝室からトイレ、洗面台、キッチンが近いと、やはり音の問題があります。みんながいっせいに寝て、朝までグッスリであれば、なんの問題はありません。

しかし、夫が仕事で遅くなって、みんな寝てしまったあとに帰ってきたときに、ちょっと問題が。冷蔵庫をあける音が響いたり、キッチンや洗面台の電気の光が、ドアの隙間から入ってきたりして、子どもが起きてしまうということがあります。

そこで帰宅の遅い夫には、冷蔵庫をゆっくり開閉して音をなるべく出さないように、加えて、間接照明で過ごしてもらっています。また、歯を磨くときは、もう1つの洗面台を使ってもらうことで、音と光の問題は大幅に改善させることができています。夫には、気をつかわせてしまいますが…。

2つめは玄関と浴室、子ども部屋の近くに設置

2つ目のトイレと洗面台は玄関と浴室の近くに設置しました。

こちらのトイレはおもに、入浴前や、お出かけ前、帰宅後、来客時や子どもの友達が「トイレを貸して!」と来たときなどに、よく使うトイレです。

洗面台は、トイレの向かいにあり、玄関から近いため、帰宅後すぐに手洗いができます。その奥が脱衣場と浴室になっています。

なお、脱衣場との間に扉を設置しているので、玄関近くではあっても、プライバシーを保てる空間になっています。

2つのトイレと洗面台で、家庭内感染防止対策にも

玄関近くのトイレは、わが家でインフルエンザやコロナ感染者が出たときに、とても活躍しました。

子ども部屋を隔離部屋にして、玄関近くのトイレと洗面台は、感染者が使用。トイレと洗面台を分けることで、接触する機会を減らすことができ、家庭内感染の対策ができました。

トイレと洗面台はセンサーライトにして正解だった

1日に何度も使用するトイレや洗面台。しかし、使用時間が短く、長時間とどまることが少ないので、センサーライトにしました。以前の住まいのような電気の消し忘れがなくなり、よかったと思っています。

それ以外にもメリットが。トイレでは、気がつかないうちに、手が汚れてしまっていることがあります。その手で、電気をつけたり消したりすると、スイッチを汚染してしまうケースも。次に使う人への感染リスクが生じてしまいます。しかし、センサーライトだとその心配はありません。

それから、子どもがトイレを怖がらないというメリットもあります。

わが家が、家を建てたとき、長女が5歳でした。トイレトレーニングが完了して、自分でトイレへ行けるようになった頃。初めてセンサーライトのトイレを使ったときのことです。

自動的にパチッと電気がついた瞬間、トイレが出迎えてくれたと思った長女は「トイレさん、こんにちは」と、とてもうれしそうでした。

賃貸マンションだったときは、「ママ、トイレ! 電気つけてー」と言って、筆者と一緒じゃないと、なかなかトイレへ行こうとしなかったのに…。気がつくと自分でトイレへ行けるようになっていました。

トイレと洗面台が2つずつあることで、わが家はストレスの少ない家になったと思います。確かに、費用はかかります。しかし、妥協せずに、2つずつ設置してよかったと実感しています。