お気に入りの洋服やインテリアに囲まれて、自分のペースで暮らしを楽しんでいる。そんなすてきな年の重ね方をしている4人が、年齢を重ねるにつれてやめたことを紹介。自分ファーストな暮らし方、軽やかに生きる秘訣が満載です。

決めつけをやめて、好きなファッションをするように

40代で始めたソーイングに夢中になり、手づくり服に関するブログや著書が人気を集めている津田蘭子さん(51歳)。津田さんのエネルギーの源は、好きな服を着て、夫婦共通の趣味でもあるインテリアを楽しむことです。

「若い頃の方が、こんな服を着たら浮いていると思われるんじゃないかとか、常識にとらわれていたかもしれません。服もインテリアも、自分の“好き”や“挑戦”という気持ちに素直に従うようにしたら、似合わないと思っていた服が案外似合うと言われるなど、発見がたくさんあって、毎日が楽しくなりました」(津田さん、以下同)

●似合う服を決めつけない!年を重ねて似合うようになることも

ボーイッシュなタイプだから、フェミニンな服が似合わないと思っていたという津田さん。

「でもあるとき着てみたら、案外いいじゃない? と。新しい自分を発見しました」

●白髪染めはやめて自分らしいヘアカラーに

白髪染めをしていたときは、中途半端に伸びた白髪が気になり、毎月染めていたそう。

「白髪もカラーの一部のように楽しめるメッシュにしたら大正解。染める回数も減りました」

流行を追うことをやめ、今あるものでおしゃれを楽しむ

「与えられた環境やものを生かして暮らす、今のスタイルが私には合ってるんですよね」と話すのは、かつては女優として、今もシニアモデルとして活動することもある伊藤千桃さん(72歳)。家にいてもおしゃれは欠かしません。

「ただ、新しいものを身に着けているのではなく、若い頃に買った服や母から譲られたものなど、古いものばかりです。でも、いいものはいつまでも色あせないから、結局は経済的なんですよね。『ヨーガンレール』のシルクのプルオーバーには、50年前に香港で買った大胆なネックレスを合わせてみました。どう? すてきでしょ?」(伊藤さん、以下同)

●新しいものを買わない。若い頃に買ったアイテムはコーディネート次第で旬顔に

『モリハナエ』のピンタックが美しいブラウスも長年の愛用品。

「われながら、もの持ちがいい(笑)。家にいるときも、アクセサリーは欠かしません。気持ちが前向きになるの」

心と体の不調を無視することをやめ、しっかりと向き合う

40代で離婚を経験、更年期も相まって心身ともに不安定な日々を過ごしていたという柿崎こうこさん(53歳)。心と体のさけびを無視せず、不調や目の前にあることと丁寧に向き合ううちに暮らしが整い、心地いい毎日が送れるようになったと言います。

「その中のひとつとして、乾燥を放置しないこと。こまめにケアできるように、ダイニングテーブルやリビングなどに『うるおい補給セット』を置くようにしました。また、気持ちが沈みそうなときには意識的に気持ちをきり替えるように。これからも小さな工夫を重ねながら、前向きに毎日を過ごしていけたらいいですね」

●乾燥を放置しない!「うるおい補給セット」を常備

家事の合間に保湿できるよう、居室にハンドクリームとリップクリーム、目薬のセットをスタンバイ。

「年々、体じゅうの水分が減っている気がして(笑)、こまめに保湿しています」

●暗い気分は手をたたいて引きずらない

ネガティブな感情が長引きそうなときは、「はい、終わり!」と声に出したり、パンッと手をたたいて気分をチェンジ。

「機嫌よくいられる時間を増やすことも“老けない”につながるのかも」

自分に制限をかけることをやめたら、ワクワクした毎日が待っていた

吉祥寺にある「ギャラリーfève」オーナーであり、暮らし上手の引田かおりさん(65歳)。

「年齢を重ねると、つい『今さらこんなことしても仕方ない』と、自分に制限をかけてしまいがち」だったと話します。でも、思い込みを取り払って踏み出してみると、思わぬ発見があったり、ワクワク楽しんでいる自分がいたそうです。

なかでも思いきったのは、50代の終わりで新しく家を買ったこと。

「60歳を過ぎたら、ものを整理して、『終活』をしましょうと言われて久しいけれど、若くても、年をとっていても、いつか死ぬことは変わらない。それなら生きている今を楽しむことを優先してもいいんじゃないかと思うんです。先の心配はやめ、えいっ! と勇気を出し、好きな家に住んだら、充実した毎日が待っていました」(引田さん、以下同)

●老後の心配はしない

老後のために支出を削り、ものを処分して暮らしを小さく…。そのことばかり心配していると息苦しくなってしまいます。

「もちろん、お金や先の計画は大事。でもそのせいで、今を楽しめないとしたら残念なこと。心が動くものに出合ったら、ときには、勇気を出して飛び込んでみて。私も、還暦を目前にして出合ってしまって自宅を購入。あと何年住めるのかわからないのにと心配になりましたが、買って大正解でした」

●人の心配をやめる

家族や周りの人を気にかけるのがクセになり、「私が力になれないかな」と考えがちです。

「けれど、どんな人もその人の人生を一生懸命生きていて、解決する力があるもの。なにもしなくても、話を聞いて寄り添えば十分。自分を最優先しようと思えるようになりました」