日本で16年ぶり5度目の開催 「アジア競馬会議」では何を議論している?
北海道・札幌市では8月27日から9月1日まで、アジア競馬会議(以下、ARC)が行われている。大会は今年で40回を数える歴史あるもの。40の国と地域から約800名が参加する会議では何を議論しているのだろうか。
ARCは50年以上の歴史を持つ。JRAとビルマ(現ミャンマー)のラングーンターフクラブの提唱により、1960年に第1回を開催。以降、日本では69年、85年、08年に行われ、今回が16年ぶり5回目となる。過去4度はいずれも東京だったが、初の札幌での開催。これは競馬産業の根本である「生産」に目を向けてもらうため、日本屈指の馬産地である北の大地・北海道が選ばれた。
会議の目的は多岐にわたるが、27の国と地域が加盟するARFアジア競馬連盟を中心とした競馬交流を通じて、親善と相互理解を深めることが主。その中には、各国の競馬に関する事項についての構想や情報交換、さらに国際競走の奨励や促進などが含まれる。加盟しているのは正会員20、準会員3、アフィリエイト会員6の計29団体。今年6月には地方競馬全国協会(NAR)もアフィリエイトメンバーとして参画した。
競馬関係者が中心となるアジア競馬会議。ファンにとって身近に感じる場面があるのだろうか。今週末の競馬番組を見てみると、各地の中央競馬で「南アフリカ賞」や「オーストラリア賞」などの副題が付いている。これはJRAが会議開催の札幌だけでなく、全場的に国際的な雰囲気を盛り上げようと企画したもの。カタールやサウジアラビアといった中東から、オーストラリアやニュージーランドといったオセアニアまで、世界を感じる週末となりそうだ。
近年の日本競馬は発展が著しく、芝競走はもちろん、ダートでも世界トップクラスに位置している。一方で、アジア圏ではシンガポールやマカオで競馬の廃止という残念なニュースもあった。会議を通じて各国の交流が深まり、アジアのみならず世界全体の競馬界が盛り上がることを期待せずにはいられない。