ナムラクレアは筆頭格?(撮影:高橋正和)

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 今週も引き続き「新潟・中京・札幌」3場開催。

 夏の3場開催も残すところあと2週。暑さはまだまだ残るが、もうひと踏ん張りしたいところだ。今週の平地重賞は日曜日にふたつ。新潟競馬場では2歳のGIII戦・新潟2歳ステークス(新潟・芝1600m)、そして札幌競馬場では、短距離のGIII戦・キーンランドカップ(札幌・芝1200m)が行われる。

 秋の短距離重賞戦線を占う意味でも、大事な一戦となるキーンランドC。いつものように過去10年のデータから、馬券のヒントを導きだしていこう。

1. 上位人気は成績まずまず?

 いつものように上位人気馬のチェックから。

 キーンランドCの1番人気馬は、昨年勝っているので過去10年で3勝となっている。成績は【3-2-1-4】。馬券圏内キープ率は60パーセント。まずまずの軸馬候補とはいえるが、強いという印象でもない。ちなみに近年では、20年ダイアトニック、21年メイケイエール、22年トウシンマカオらが敗れ去っている。

 ちなみに2番人気馬は【1-4-1-4】でこちらも馬券圏内キープ率60パーセント。3番人気馬は【2-0-2-6】と若干落ちる。上位人気馬3頭での1~3着独占決着は2回(16年・19年)ある。上位3番人気までがすべて消えることは過去10年ではない。これ以外の人気馬は、5・6・8・12番人気がそれぞれ1回ずつ勝っている。

 2ケタ人気馬で勝っているのは17年のエポワスだけ(12番人気・9歳)。このときの鞍上はC.ルメール騎手。わりと頭数が揃うレースの割には、2ケタ人気薄馬があまり活躍しているとはいえない。ほかには9番人気馬が【0-1-3-6】と4回も馬券に絡んでいる。ヒモ狙いとしては入れておきたいところかも…。

2. 内枠より外枠有利?

 過去10年、全体的に見ると「外枠有利」の傾向は顕著だ。

 馬券圏内30頭中、1~4枠までが10頭、5~8枠が20頭。

 特に1着馬は外枠が多く、6枠3頭・7枠4頭・8枠1頭となっている。馬番でいえば好枠は13番と14番。この2つの馬番枠でなんと5勝もしているのだ。

 一方、内枠は成績出ていない。特に1~3枠までが不振で、合計でもわずか4頭しか馬券に絡んでいない。まあ一昨年のように4枠以内の3頭で馬券が決まることもあるが、全体的な傾向としては外枠有利といえるだろう。

3. そして牝馬は狙い目?

 過去10年で牝馬は7勝もしている。

 昨年のようにワンツーが共に牝馬ということも4回ある。一昨年だけが馬券圏内に牝馬絡んでいなかったが、それ以外の年はかならず馬券圏内に牝馬は絡んでいる。

 馬券圏内30頭中牝馬は17頭にも上る。上位3頭中2頭が牝馬だった年も8回ある。今年も牝馬狙いは正攻法になるはず。人気上位になりそうな牝馬としては昨年の勝ち馬でもあるナムラクレアは筆頭格。昨年2着だったシナモンスティック。ほかにも2頭が出走予定。一応チェックしておきたい。

4. 今年もローテは北海道シリーズから?

 このレースは、「前走UHB賞組」「前走函館スプリントS組」がよく活躍している。昨年も前走UHB賞1着だったシナモンスティックの名前を挙げたが、8番人気ながら見事に2着に食い込んでくれた。そして3着にも前走函館スプリントS3着のトウシンマカオが入った。

 特にUHB賞からは13着だったエイティーンガール(21年)が2着に巻き返しをしているなど人気薄でも一発あり。一方、函館スプリントSからは上位組がシンプルに好走傾向にある。

 今年もこの2つのレースからのローテ馬には注意しておきたい。

5. 「逃げ馬」と「上がり最速タイプ」は両方買い?

 最後の傾向は脚質。

 短距離戦でハナを切れるスピードは確かに武器となるが、このレースでもスタート良く先手主導権取れた逃げ馬は【1-2-2-5】と50パーセントは馬券圏内に残れている。

 これと同時に差し馬も好調。上がり最速を出せた馬も【5-2-0-4】(のべ11頭)と活躍している。しかもこの逃げ馬と最速上がりタイプが同時に馬券圏内になることも、過去10年で3回あるのだ。

 つまりキーンランドCは、「外枠」「牝馬」「前走北海道短距離戦組」「逃げ馬」「上がり最速タイプ」などのキーワードを多く持つ馬こそが狙い目になるといえるだろう。