チップメーカーのAMDが2024年第2四半期(4〜6月)の決算報告を発表しました。その中でもデータセンター部門はAI特化型チップの出荷が急増したことで前年比約2倍という成長を見せ、過去最高の収益となる28億ドル(約4280億円)を計上しました。

AMD Reports Second Quarter 2024 Financial Results :: Advanced Micro Devices, Inc. (AMD)

https://ir.amd.com/news-events/press-releases/detail/1209/amd-reports-second-quarter-2024-financial-results

AMD is becoming an AI chip company, just like Nvidia - The Verge

https://www.theverge.com/2024/7/30/24209938/amd-q2-2024-earnings-datacenter-ai-revenue

GAAP(上)とnon-GAAP(下)の会計報告が以下。2024年第2四半期の総収益は58億3500万ドル(約8900億円)で、前年同期比で約9%増、前期比で7%増でした。営業利益(non-GAAP)は12億6400万ドル(約1930億円)で、前年同期比で18%増、前期比で12%増となりました。純利益(non-GAAP)は11億2600万ドル(約1720億円)で、前年同期比で19%増、前期比で11%増でした。



AMDによれば、データセンター部門の収益は過去最高の28億ドルで、前年同期比で115%増となったとのこと。これはAMDのInstinctアクセラレーターの出荷が急増したことと、第4世代EPYC CPUの売上が大きく伸びたことによるものだとAMDは説明しています。また、データセンター部門の収益が前期比で21%増加したことについても、Instinctアクセラレーターの出荷急増が大きいとしています。



AMDはAI特化型チップのInstinct MI300Xを2023年12月から提供しており、今後も毎年新しいAI特化型チップをリリースするとしています。さらに、今回の2024年第2四半期決算報告の場で、MI325Xを2024年第4四半期に、MI350を2025年に、MI400を2026年に発売する予定だと発表しました。

AMDのリサ・スーCEOは、AMDのAI特化型チップは1四半期で10億ドル(約1520億円)を超える売上を達成したと報告しています。ただし、急増する需要に供給が追いついていないそうで、「MI300Xについては、可能な限り製造して販売していますが、サプライチェーンの改善にもかかわらず、2025年までは供給がひっ迫したままになるでしょう」とコメントしています。



クライアント部門の収益は15億ドル(約2300億円)で、前年同期比で49%増、前期比で9%増となりました。これはRyzenプロセッサの売上が主に影響しているとのこと。また、ゲーム部門の収益は、PlayStation 5やXbox Series X/Sの売上が低迷し、コンシューマー向けセミカスタム収益が減少したことにより大きく落ち込み、前年同期比で59%減・前期比30%減の6億4800万ドル(約990億円)でした。



組み込み部門の収益は8億6100万ドル(約1300億円)で、前期比は2%増加していますが、前年同期比は41%減。この理由についてAMDは「顧客が在庫消化に努めているから」と説明しました。

IT系ニュースメディアのThe VergeはAMDの2024年第2四半期決算報告を受けて、「AMDはNVIDIAと同じような道をたどっているようです」と述べ、AMDがNVIDIAと同じようにデータセンター向けのAI特化型チップの開発に注力するようになるのではと予想しています。