琵琶湖の畔で翻訳家、エッセイストとしての活動を続けている村井理子。7月23日の「大竹まことゴールデンラジオ(文化放送)」では、仕事と義父母の介護を続けながら双子の高校生を育てている村井理子にその生活を伺った。

小島慶子「村井さんが翻訳される本って割と女の人の視点から女の人が生きている時に色々経験する大変さみたいなものが描かれているものが多くて、自分の中にも実体験としてあると、何かしみじみするものがあります」 

村井「激しい生き方をしている女性とか、強い意志を持った女性の本に関わることが多いですね。翻訳って1ページ目から最後までビチーッと読むので、影響を受けるというか、新しい世界を見せてもらう、そういう感じの作業なので、やっぱり影響は受けますね」 

小島「印象的だったのが【義父母の介護】っていう本の中だったかなぁ、義理のお父さんとお母さんの関係を見ていて、だんだん村井さんが義理のお母さんに対して味方してあげたいって思うくだりが印象的でした」 

村井「義母が認知症になった時に義父が抱えた怒りの正体が、義母が今まで通り自分の服を洗ってくれないとか、キッチンのあと片付けをしてくれないとか、料理をしてくれないとか、そういう主婦としての能力を失った彼女に対する怒りだったんです。でも、それって何だか可哀想じゃないですか。家事くらいできなくても義母は義母じゃないかと思って、そこでスイッチが入ったところがあります。別に家事ができなくても今までの生活とか、愛のある結婚とかはゼロになるのかっていうと、そうではない」 

小島「確かにそうですよね。『誰が俺の世話するんだ!』みたいな態度だったお父さんが90歳になって、ちょっと変わってきたんですよね?」 

村井「90歳でも人は変われる。掃除をしたり、洗濯をしたり、ご飯を作ったり、色んなことを自分でやって、お母さんのためにデイサービスに行くバッグを準備したり、色んなことができるようになった」 

小島「凄い事ですよね、それって!」 

村井「物凄い変化ですね」 

小島「理子さんが『やったら?』って言ったわけでもない?」 

村井「自主的です」