ASUS JAPANが、「Zenfone」シリーズの最新機種にして、ハイエンドモデルである「Zenfone 11 Ultra」を発売しました。コストパフォーマンスに優れるZenFoneシリーズらしく、メモリー16GB/ストレージ512GBで15万9800円(税込)、メモリー12GB/ストレージ256GBだと13万9800円(税込)と、ハイエンドとしてはお買い得なモデルです。

 

筆者は都内を拠点に、企業の運営するSNSの戦略設計や制作・分析を行なっており、フルリモートで働いています。案件の規模感によっては自身で撮影したり、文章やデザインを制作したりしています。

 

今回はそうした業務においてZenfone 11 Ultraはどこまで活躍できるのか、本当にお買い得といえるのか、発売前にASUS JAPANからお借りして試してみました。

 

最もうれしかったのはまさかのツインアプリ機能でした

最新機種の紹介ながら、今回Zenfone 11 Ultraを使う中で、筆者が正直一番うれしかったのはまさかの「ツインアプリ」機能でした。

↑SNSのアプリは複数ログインが可能に!

 

ツインアプリは1台の端末で同じアプリを2つインストールすることができるというもの。SNSの戦略設計や分析を行なうことの多い筆者の仕事柄、Instagramの複数アカウントを使い分けてログインして管理することが多かったのですが、基本的に1アプリ5アカウントまでしかログインができず、それ以上は都度ログイン・ログアウトする必要がありました。最近では多要素認証が必要なことから、時にはクライアントと連絡を取りながらログイン……という面倒さも感じていたところ、ツインアプリでInstagramのアプリを2つ使えるのであれば純粋に2倍の10アカウントまでログインできるわけです。これはとてもありがたい機能でした。

 

すでに数年前から用意されている機能ではありますが、SNS運用の仕事が一般的になりつつあるいまは特に重要で、筆者のように重宝する人は多いはず。もっと広く知られてほしい機能だと感じます。

 

またSNSのほかにもPokémon GOや原神、PUBGなどのゲームアプリもツインアプリの対応となっているので、ひとつの端末で複数のアカウントでゲームを楽しむこともできます。正直この機能だけでも、Zenfoneを選ぶ大きなメリットになりそうです。

 

イイ感じのショート動画をあっという間に作れそうなカメラ

背面には3つのカメラを搭載しており、それぞれ広角・超広角・望遠と役割が異なります。

↑6軸ジンバルモジュール搭載の高画質カメラを搭載

 

広角カメラには6軸ジンバルモジュールを搭載しているおかげで、静止画・動画ともにカメラのフレーミングをする際の挙動がとても滑らかに感じられました。特に動画の撮影では安定感があり、撮影体験を豊かにしてくれます。本機1台でお出かけ、撮影しながら移動途中にアプリで動画編集すれば、あっという間にショートムービーの制作もできてしまいそうです。

↑ナチュラルな発色、多様なシーンで活躍できそうです

 

↑片手の手持ち撮影でもこれだけ滑らかなムービー撮影が可能

 

また望遠カメラでは光学で3倍、デジタルで最大30倍のズームに対応しています。超広角(×0.7)、広角(×1)、望遠(×2〜3)、超望遠(×10〜30)をそれぞれ比較して見てみましょう。

↑Zenfone 11 Ultraの超広角(0.7倍)では歪み補正は加えられているものの、全体的に超広角撮影時の不自然さは見られず、ナチュラルな写りに感じました

 

またこれまでスマートフォンで写真を撮るときは超広角と通常の画角のみ使うことが多かったのですが、普段のシチュエーションで2倍・3倍のズームをしてみると意外とおもしろく切り取れたりするものです。

↑ビール缶を手持ちで撮影することが多いので、光学ズームは手放せません(2倍ズームで撮影)

 

↑3倍ズームで切り取ると、シンプルな照明も印象的な写りに

 

↑AIが明暗を調整してくれる、鮮やかな写り

 

以前ASUSから発売されているゲーミングスマホの「ROG Phone 7」をレビューしたときに感じられたビビッドすぎるカメラの写りとは、かなり違うように感じられました。また手持ちのiPhone 15よりも、実際に眼で見た色に近い忠実な写りとなっています。

 

光の影になっている部分もノイズを感じることなく写ってくれますし、ROG Phone 7では特に鮮やかな描写をしていた3原色の緑もZenfone 11 Ultraでは自然な写りのように感じられます。

普段あんまりゲームしなくてもゲーミングスマホ「ROG Phone」は意味ある? 使い込んでみた!

 

お借りした当初はロケハン程度ならカメラを持たずにZenfone 11 Ultraだけで行けるかな〜と思っていましたが、これだけ高機能なカメラを搭載していると実制作でも使えそうなレベルだと感じました。撮影後にVSCOなどの編集アプリで色味を調整し、Canvaで装飾を施せば、Zenfone 11 Ultraだけで満足のいくクオリティで制作物ができそうです。

 

心配を減らせる急速充電と大容量バッテリー

スマートフォンやモバイルバッテリーなど、現代の暮らしでは充電するものが多く、時にはスマートフォンの充電を忘れて寝落ちしてしまった……なんて経験のある方も多いのではないでしょうか。Zenfone 11 Ultraは、急いで充電器に繋いだけれど、全然バッテリーが貯まらないまま家を出る時間になってしまった……という不安とはもうお別れです。

 

65Wの急速充電が可能な充電器を使えば、0%から100%までの充電が最速39分で可能。朝の支度をしている時間にサッと充電すれば、もうバッテリーの心配をすることはありません。

 

実際にそんなシチュエーションを再現してみたところ、目覚めたときにはバッテリーが17%、朝の支度を30分で済ませて家を出るまで充電していたら82%まで回復しました。これだけあれば何とか1日は持ちこたえられそう、少なくとも職場に着くまでにバッテリーの切れを心配する必要はまったくなさそうです。

↑30分の充電でバッテリーは65%充電されました

 

バッテリー容量は5500mAhと、筆者の日常的に使っているGoogle Pixel 7(4355mAh)と比較しても約1.3倍の大容量です。仕事の連絡を返したり、SNSやYouTubeで動画を見たりして1日使っても夕方にモバイルバッテリーから充電しなくても良いというのは、心に余裕ができました。外出に持ち出す荷物もひとつ減るので、うれしいポイントです。

 

なお上記に示した充電速度を確かめるべくバッテリーを消費するために、100%の状態からディスプレイの輝度を最大にしてYouTubeを8時間半ほど再生して、ようやく17%まで減少しました。これだけタフに使っても、なおバッテリーライフが残っているというのには驚きです。仕事のみならずプライベートにおいてもSNSに張り付いている人でも安心できるでしょう。

 

リフレッシュレートの高さやイヤホンジャックも満足度を高めてくれる

Zenfone 11 Ultraはハイエンドだけあって、ほかにもグッとくるポイントがいくつかあります。ひとつはリフレッシュレートです。

 

Zenfone 11 Ultraでは120Hzのリフレッシュレートが設定できます。普段使っているiPhone 15は最大60Hz、Pixel 7でも90Hzのため、滑らかな動きの違いに最初は戸惑うほどでした。ブラウジングやXのタイムラインを上下にスワイプしている際のスムーズさはハイエンドスマートフォンを使っているという満足感とともに、一度慣れた状態でiPhone 15に戻ったら物足りないと感じました。

↑リフレッシュレート144Hzはゲームをプレイ中のみ設定が可能

 

もうひとつは、イヤホンジャック。近年発売されるスマートフォンはイヤホンジャックが削減されがちですが、Zenfone 11 UltraにはUSB Type-C端子に加えて3.5mmのイヤホンジャックが搭載されています。スマートフォンからWeb会議などに参加する際の音声安定化も期待ができます。

 

外出先で突然Web会議に入らなければいけないときに限ってBluetoothの接続がうまくいかなかったり・充電が切れていたりで焦った経験をした方も多いのではないでしょうか。便利なワイヤレスイヤホンは増えてきていますが、一周回って信頼できるのは有線イヤホンだと個人的には考えており、日常的にWeb会議をするビジネスパーソンであれば必携だと思っています。

↑今も昔も接続の安定性は有線イヤホンに軍配が上がります

 

先進的なAI機能をバリバリ使うにはもう少し時間がかかるかも

2024年に入ってから発表されたスマートフォンには、生成AIを搭載した機種も多く見られるなかで、本機種でも通信を必要としないオンデバイスAIが搭載されているのは目玉のひとつといえるでしょう。

 

Zenfone 11 UltraにはASUS独自のAIアルゴリズムを使用した、オンデバイスAIによるAI文字起こし機能・AI通話翻訳機能・AI壁紙生成機能・AI画像検索機能・AIノイズキャンセリング機能が発売時点では提供されています。なお利用に際しては別途キットをダウンロードする必要があります。それぞれ2GB近くのデータをダウンロードするので、購入してすぐに使い始めることができない点には注意しましょう。

 

仕事で最も重宝しそうなのは、AI文字起こし機能です(7月3日時点ではベータ版としての提供)。Zenfone 11 Ultraに搭載されているAIを使えば、本体内で文字起こしまで完結できるため、より効率的に作業ができるようになります。

 

クライアントとの打ち合わせ時にこの機能を使えば、終了時には文字起こしデータが仕上がっています。そのデータをもとにChatGPTなどの生成AIに「議事録を作成して」と指示を出せば、サクッと議事録まで作ることができるようになるわけです。これまで人力で時間を掛けて、時には聞き落としてしまう……というヒューマンエラーが起こり得た部分が、テクノロジーの力によって便利に進められるようになりました。

 

ただこのような生成AIを業務に取り入れるには、使いこなす側のスキルが試される部分が多いのも事実です。今後AIの活躍する領域はどんどん広がってくることは間違いないでしょうから、このように小さな部分から少しずつ慣れていくことが大切でしょう。

 

満足の機能性と未来への期待感がある一台

1日の大半を共にするスマートフォンは、小さな点でも妥協したくはないもの。広角から望遠までカバーするカメラ機能にイヤホンジャックの搭載など、プライベートはもちろん仕事で使うことを想定してもパフォーマンスの高い一台だと感じました。

 

Zenfone 11 Ultraで新たに搭載されたオンデバイスAI機能は、日常生活の中での活躍というよりはシーンを限定して機能を発揮してくれそうです。AIがどんどん私たちの暮らしを便利にしてくれるような、未来への期待感が感じられる機能でした。

 

なお、公式通販サイトである ASUS Storeでは「Zenfone 11 Ultraシリーズ発売キャンペーン」を実施中。8月31日(土)16:59までの購入で、3つの購入者特典(別売りケースのプレゼント、アクセサリー同時購入で15%オフ、送料無料)が受けられます。

↑公式サイトから

 

本体に充電器は付属していないので、65Wの急速充電に対応したAC充電器をおトクに同時購入するのもおすすめです。同じくASUSから発売されているROGシリーズのロゴが入っているのも、所持欲を満たしてくれそうです。

 

OS:Android 14(ZenUI)

SoC:Qualcomm Snapdragon 8 Gen 3(オクタコア)

メモリー容量 :16GB

ストレージ :512GB(UFS 4.0)

ディスプレイ:6.78型 LTPO AMOLEDディスプレイ(1〜120Hz、最大144Hz)

解像度:2400×1080ドット(フルHD+)

アウトカメラ:広角(5000万画素)、超広角(1300万画素)、望遠(3200万画素)

インカメラ:3200万画素

バッテリー駆動時間:【Wi-Fi通信時】 約15.9時間/【モバイル通信時】 約13.9時間(5G)、約16.5時間(LTE)

バッテリー容量:5500mAh

サイズ:高さ163.8×幅76.8×奥行き8.9mm

本体質量:約225g

 

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