この記事をまとめると

クルマ洗車に水は欠かせない

■エンジンルームの洗浄は電装品の養生が必須なので素人にはオススメできない

■夏場の日中の洗車は水がすぐに乾いて「水シミ」が発生しやすいので要注意だ

どこでも水をぶっかけていいわけじゃない!

 洗車の基本は水洗い。汚れた部分に水をかけ、ほこりや汚れを洗い流すのが第一。

 しかし、どこもかしこも水洗いすればいいというものでもない。クルマは大雨のなかでも走れる設計されているので、濡れて困る部分は少ないが、それでも完全防水ではなく、水洗いNGの箇所もある。

 とくにエンジンルームの水洗いは要注意だ。

 バッテリー、ヒューズボックス、ECUなどの電装品に水をかけるのは厳禁。コネクター類も濡らしたくはないし、エアクリーナーボックスにも水が入るのは避けたいところ。洗車のプロや整備工場などでは、ときどき高圧洗浄機でエンジンルームを丸洗いしていることがあるが、あれは水がかかってはいけない場所を、ビニールなどでしっかり養生しているからできること。素人が安易にまねるのはトラブルのもとだ。

 なので、ユーザーが自分でエンジンルームのクリーニングをするときは、市販のムース状の専用クリーナーを使うか、ウエスで水拭きするぐらいにしておこう。

夏の時期は日中の洗車に注意すべし

 あとはマフラー。道路が冠水したとき、水位がマフラーの下端までなら走行可能ともいわれているぐらいなので、マフラー内に水が入るのは基本的に避けたいところ。

 もっとも、ガソリンが燃焼するときに酸素と水素が結合して水が出るし、触媒の化学反応によっても水が出るので、マフラー内に水がたまることは珍しくなく、エンジンをかけてしばらくの間、マフラーから水蒸気が出ている光景をよく目にするはず。

 したがって、洗車の際、少しぐらいマフラー内に水が入ったとしてもとくに問題はないが(最近のマフラーはステンレス製なので腐食にも強い)、積極的にマフラー出口に水をかけることは避けたほうがいいだろう。

 最後に給油口付近。ここも普段外からは見えないが、汚れがたまりやすい部分。給油口のふたを開けても、給油キャップさえしっかりしまっていれば、なかは密閉されているので、少々水をかぶっても支障はない。ただ、あえて水をバシャバシャかけて洗うような部分でもないので、濡れたウエスで水拭きする程度が、1番おすすめ。

 ここで洗車の水洗いについてまとめると、電装品に水がかからないようにするのが第一。

 そのほか、エンジンルーム、マフラー、ブレーキなどが、熱い状態のときは、しっかり冷めるまで待つのが基本。ボディも夏場、手で触って熱く感じるようなときに、水をかけると、水分がすぐに乾いて、水道水に含まれるミネラル分が残り、ウォータースポット/イオンデポジットと呼ばれる水シミが残るので気を付けよう。

 そして電装品以外も、外部に露出していない部分や、マフラーの出口などには、なるべく水が入らないようにするのが無難だろう。