伊沢拓司

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 クイズ番組「東大王」(TBS)が9月末で終了する、と報じられた。2017年4月にスタートして7年半、東大王チームの新編成やルール変更などを繰り返しながら続けてきたが、いよいよこれまで。数多のスターを生み出した人気番組がなくなることになった事情は?

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【写真をみる】今は一般人になった「美人すぎる東大王」の貴重ショット(伊沢拓司のSNSより)

 デイリー新潮は「東大王 放送終了が決まってタガが外れた?他局から『CMみたいなクイズは絶対マズい』という指摘」(6月28日配信)で、6月19日放送の2時間スペシャルが途中から“ほぼCM”のコラボ番組に変わってしまったことを報じた。民放プロデューサーは言う。

伊沢拓司

「2時間スペシャルの視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は、世帯5・3%、個人3・1%、コア(13〜49歳)1・5%でした。とても合格点と言えるレベルではなく、テレビ東京の『ソレダメ!〜あなたの常識は非常識!?〜』とはコアでは同率だったものの世帯と個人は大差で敗れました。ちなみに、『くりぃむクイズ ミラクル9』(テレビ朝日)が世帯8・6%、個人5・0%でトップ、コアは『有吉の壁』(日本テレビ)が5・0%トップでした。つまり『東大王』は、同時間帯の民放で最下位。これでは打ち切りもやむを得ません」

 やはり視聴率の低下が打ち切りの原因だったか。

「ついでに言えば、『東大王』が放送されている水曜19時枠はTBSの自主編成枠。つまり、関東ローカルの番組なんです。系列局でこの番組を同時間に放送しているのは、わずか9局しかありません。それもまた、打ち切りを決めやすくした要因でした」

 ちなみに関西では「水野真紀の魔法のレストラン」(毎日放送)が放送されている。

「2001年にスタートしたグルメ情報番組で、以来23年間も続く人気長寿番組です」

 なぜ「東大王」は水野真紀に敗れることになったのだろう。

早かったピーク

「第1に挙げられるのはスターの不在です。“東大最強の知識王”にして東大王チームの初代大将・伊沢拓司(30)を筆頭に、“東大医学部のプリンス”こと2代目大将・水上颯(28)、そして“スタンフォードが認めた才媛”こと鈴木光(25)、この3人がどんな難問にも正答し、天下無双ぶりを見せつけていた2ndシーズン(17年11月〜19年3月)までがピークだったかもしれません」

 今年4月から9thシーズンが始まったことを考えると、ずいぶんピークは早かった。

「伊沢は開成高校時代、日テレの『全国高等学校クイズ選手権』、いわゆる“高校生クイズ”で史上初となる2連覇を成し遂げ、その後輩である水上も優勝し、開成高校は3連覇を成し遂げました。また、東大へ推薦で入学した鈴木は、アイドル並みの容姿を持つ才色兼備。彼らが芸能人チームなど完膚なきまでに叩きのめす超人的な知識を、視聴者は楽しんでいました。数多あるクイズ番組の中、年1回の高校生クイズを除けばオンリーワンの存在でした」

 それがなぜ、落ちていったのだろう。

「まずは伊沢が19年3月に大学院中退と同時に番組を卒業し、株式会社QuizKnockを設立。翌20年3月には水上が研修医となるために番組を卒業。さらに、21年3月、鈴木が司法試験受験のため番組を卒業しました。スターが相次いで卒業してしまったのです」

 ちなみに、水上は現在、都内の病院で精神科医として働いていると報じられた。また鈴木は、番組卒業から2カ月後に司法試験を受けて合格し、現在は国内最多の弁護士を抱える最大手の弁護士事務所に勤務している。

 彼らに続いた“IQ165の天才”こと鶴崎修功(29)や“東大文学部の叡智”で“ジャスコ”と呼ばれた林輝幸(27)など、人気東大生がいたけれど……。

人気番組にも飽きは来る

「実は初期の『東大王』は日曜19時の枠で、全国放送でした。18年10月から水曜19時のローカル枠となっていました。この時から関西では、水曜19時に放送されることはなくなっていたわけです。3代目大将の鶴崎や林なども、おのずとかつてのような人気はなくなっていきました。TBSとしても何とかしようと思ったのでしょう。卒業したはずの伊沢を解説者や芸能人チームの解答者として出演させ、昨年からは“レジェンド東大王”として東大チームに復帰しました」

 もっとも、6月19日の放送で、伊沢はかなり間違えていた上、言い訳も多かった。

「QuizKnock代表でワタナベエンターテインメント所属のタレントともなると、ハングリー精神も落ちたのか、かつてのクイズ王ぶりは見られなくなりましたね。鶴崎も伊沢同様、ワタナベエタとQuizKnockに所属していますが、たまに出演してもかつてのようなキレがありません。6月24日には『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』(テレ朝)に出演していましたが、カズレーザーの圧勝でいいところがありませんでした」

 もちろん東大生のせいばかりではない。

「『パネルクイズ アタック25』(朝日放送テレビ)だって一昨年、地上波46年の歴史に幕を降ろしました。『アップダウンクイズ』(NET=現・テレ朝)、『クイズダービー』(TBS)、『クイズ100人に聞きました』(同前)、『クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!』(日テレ)、『たけし・逸見の平成教育委員会』(フジ)などなど、どんな人気クイズ番組だって飽きられて寿命を迎えるものです」

「東大王」も同様だという。

「最近は挑戦者を高校生や一般人にしてみたり、出題を難関中学の入試問題にしたりと工夫はしたものの、成果は上げられませんでした。それでも東大生をお茶の間に引っ張り出すことで7年半も続いたのですから大したものです。まさかここまで東大生が跋扈するようになるとは思いませんでしたからね」

デイリー新潮編集部