青信号“気づかない”前車に「プーッ!」 違反になることも!? なぜ「催促クラクション」はNG? 正しい「警音器」の使い方とは

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「あれっ、青だよ?」プーッ! それ「違反です」

 信号が青に変わったのに前のクルマが動き出さず、モヤモヤしてしまうことがあります。しかし、このとき「クラクション」を鳴らすのは違反になってしまうのです。
 
 では、どのようにして前のクルマに知らせたらいいのでしょうか。

青なのに動かない前車… 「クラクション催促」はNGです(画像はイメージ)

 クラクションは「警音器」といい、鳴らさなければならないタイミングが道路交通法で定められています。

【画像】「えっ…」 これがクラクションを「鳴らすべき状況」です 画像で見る(16枚)

 警音器を鳴らさなければならないのは、見通しのきかない交差点や曲がり角、上り坂の頂上付近などで、「警笛鳴らせ」の標識が設置されている場所です。

 もし鳴らさなければならない場面で警音器を使わなかった場合、「警音器吹鳴義務違反」として、違反点数1点と反則金6000円(普通車の場合)が科されます。

 これ以外の場所では警音器を鳴らすことは原則禁止されていますが、例外として「危険を防止するためにやむを得ないとき」については警音器を鳴らすことが認められています。

 しかし、青信号で前のクルマが発進しないことは、一般的に「危険を防止するためにやむを得ないとき」として認められる可能性は低いでしょう。

 もし警音器を使用すべきでない場面で使用した場合、「警音器使用制限違反」として交通違反となり、違反点数はありませんが反則金3000円が科される可能性があります。

 また、不必要な場面で大音量のクラクションを鳴らすと、住宅街など場所によっては騒音となってしまうことも考えられます。

 さらに警音器を鳴らすシチュエーションによっては、威嚇や「あおり運転」と受け取られる可能性もはらんでいます。

 これをきっかけに、むしろ嫌がらせを受けてしまうリスクもあるため、安易に鳴らすのはやめたほうがいいでしょう。

 では、青信号になっても前のクルマが動き出さない時にはどのように対応すればいいのでしょうか。

 ひとつは「パッシング」が有効でしょう。

 これはライトのスイッチレバーを手前に引くことで、ヘッドライトを点灯させる方法です。

 レバーを引いている間はヘッドライトが点灯する仕組みとなっているため、レバーを短い間隔で1〜2回引くことで、ライトを点滅させます。

 ただし、昼間や先行車のドライバーがスマホを注視していると気づかれない可能性があるほか、「煽られた」と感じられてしまうかもしれません。

 さらに、警音器と同様に、こちらが伝えたい意図が正しく伝わるかはわかりません。

 もうひとつが「しばらく待つ」ことです。

 青信号になっても動き出さない理由として、スマホやカーナビを操作していることが考えられますが、この場合は数秒程度でドライバーが気づいて発進すると考えられるため、トラブル回避のために待機することもひとつの方法です。

 反対に、まったく動き出す気配がない時は、クルマの故障やドライバーの急病など、別のトラブルが発生している可能性もあるため、ハザードを点灯させて前車の運転手に確認することも必要でしょう。

※ ※ ※

 クラクションを周囲のクルマとのコミュニケーション手段として活用している人もいるかもしれませんが、原則は決められたシチュエーション以外の場面で鳴らすことは交通違反となります。

 合流を譲ってくれたクルマにお礼の意味でクラクションを鳴らす「サンキュークラクション」は習慣的にポジティブな意味で使われていますが、厳密には法令違反になってしまうのです。

 また、危険を避けるためのものであることから音量も大きく、伝えたい意図通りに伝わるとも限らないことからトラブルの要因となるリスクもあるため、クラクションを使用する時には注意が必要です。