とちぎテレビ

7年前の3月、那須町で部活動での登山講習中に大田原高校の生徒ら8人が死亡した雪崩事故で息子を亡くした女性が11日、宇都宮市でこの春、採用された高校教諭などに癒えることがない悲しみと安全管理の徹底を呼びかけました。

講話をしたのは、那須の雪崩事故で当時、高校1年だった次男の淳生さんを亡くした高瀬晶子さんです。この春、高校や特別支援学校に配属された教員ら94人が参加し、冒頭、亡くなった8人に黙とうを捧げました。

県は、事故の再発と風化を防ぐため、2018年から毎年、新たに採用された教員らを対象に遺族による講話を実施しています。高瀬さんは、事故があった日の夕方、病院の集中治療室で心臓マッサージを受ける淳生さんを見たときに言葉にならない声が出たことなど、この7年間の自身の気持ちや裁判の経過などを涙ながらに振り返りました。

2022年11月には、初めて大田原高校の生徒らの登山に同行して安全登山の取り組みを体感すると「きれいな景色で新しい世界が見られた」と、大きな気持ちの変化があったことも明かしました。一方で、講習会の責任者だった教諭ら3人は、業務上過失致死傷の罪に問われた刑事裁判で禁錮2年の一審判決を不服として東京高裁に控訴しています。

高瀬さんは、教諭なら、安全だという思い込みはせずに使命は何なのか、改めて考えてほしいと呼びかけました。