東京都知事選挙が終了。勝因と敗因、国政への影響は?
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、7月8日の放送では、今回の東京都知事選挙の結果を受けた国政の行方について、政治ジャーナリストの角谷浩一が解説した。角谷によれば、今回は特に立憲民主党にとって痛手の結果となったという。
長野智子「きのう(東京都知事選挙)の結果を受けて、各党、どんな状況なのでしょう?」
角谷浩一「いちばんショックが大きいのは立憲民主党ですよね。(蓮舫候補が)3位に落ち込んだというのは、『分析をしなければ』と大串選対委員長が言っていますけど、僕は最初から戦術ミスだったと思います。こういう時代になってくると、オーソドックスな演説の仕方や応援弁士が延々としゃべったあとに出てくる、そういうのは『古くね?』という感じを受けてしまう」
長野「そうですねえ」
角谷「それから、自民党と戦うというのを貫けばよかったのに、途中から『若者を支援』と言ってみる。政策がフワフワしていたというのは小池さんも蓮舫さんも石丸さんもあまり変わらなかったと思うけど、フワフワは都庁に任せておけばなんとかなってしまうから、なんですよ。国政だって自民党がしっかりしなくても霞が関がいれば国は動く、となると政治はどんどんレベルが下がる。そこを乗り越えるために、石丸さんみたいな新しい顔が出てくるというのは起爆剤になる」
長野「はい」
角谷「ただ55%だった投票率が60%になったのが、そういうネットのおかげか。というよりは『東京都が大変なことになっているぞ』という不安感をつくったことで、オーソドックスな結論に落ち着かせる、小池さんに落ち着く有権者が増えた、ということにはなったかもしれません」
長野「先ほどおっしゃった戦術の間違いの中に、立憲共産党が前に出ていたことは入っていますか?」
角谷「入っていないと思います。きょうの朝刊段階で何社もそういう分析していましたが、立憲共産党が前に出たことで嫌う有権者は最初から蓮舫さんにもたぶん興味はなかった。それより野党統一候補というのをもっと強調すればよかったんですよ」
長野「街頭演説を見ても違和感はあったんですよ。蓮舫さんは立憲も辞めて、オールリベラルという感じで、吸収するために立憲を辞めますと言った。それなのに、街頭に登場する度にものすごい各党の、国政の顔がみんな出てくる」
角谷「枝野さんや野田さんというね。大物だしみんなが知っている顔。でもこれは秋の代表選に出ようとしている顔だと思ってしまうと、みんな『あ~……』という感じになる。政治の都合みたいなものが見え隠れしたのは、蓮舫さんにとって損だったと思います」
長野「この辺の戦術ミスは問われるというか」
角谷「2位でも200万票に届かなかったということを考えると、僕は長妻都連会長と手塚幹事長は辞表を出すべきだと。けじめをこの党はなかなかつけない、負けてもゆるゆるしてしまうので、これは必要でしょうね。そして3位に落ちた責任は大串選対委員長と岡田幹事長がとるべきだと思う。それだけ厳しい結果、自民党の政治とカネの問題を追及する出鼻をくじいたわけですよ。立憲にとって大きな痛手だし、秋以降の衆議院選挙、来年の参議院選挙の戦略を立て直すために大きな失敗になった、という統括をしないとダメだと」