“牛乳でおなかを壊す”のはなぜ? 飲むときの注意点や1日の杯数も管理栄養士が解説!
牛乳でおなかを壊す理由はご存じですか? 牛乳を飲むときの注意点や1日の杯数について、「管理栄養士」の亀崎さんに解説していただきました。
※この記事はMedical DOCにて【牛乳の栄養素はカルシウムだけではない! 管理栄養士が牛乳の栄養と健康効果を徹底解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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亀崎 智子(管理栄養士)
京都府立大学の管理栄養士養成過程を卒業後、大阪の食品製造会社の製造現場にて勤務。その後、地元福岡に戻り、食品会社にて商品企画や某コンビニの新商品開発に携わる。妊娠を機に退職後、「かめごはんの料理教室」を主宰し、主に無添加ふりかけ講座やファスティングの講座を開催し、食べ方と出し方についてお伝えしている。加えて、根本原因にアプローチして施術をするセラピストとしても活動中。
編集部
牛乳は1日何杯まで、毎日飲んでも大丈夫ですか?
亀崎さん
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、カルシウムの1日の推奨量は以下のように記載されています。【男性】18~29歳:800mg、30~74歳:750mg、75歳以上:700mg
【女性】18~74歳:650mg、75歳以上:600mg
コップ1杯(約200ml)の牛乳には、約200mgのカルシウムが含まれています。食事からもカルシウムを摂取することも考慮すると、牛乳を飲む場合、基本的にはコップ1杯を目安にするとよいでしょう。ただし、活動量が多い人に関しては、2杯までを限度として飲むのも問題ありません。
編集部
整腸作用のある牛乳は、飲む時に注意することはありますか?
亀崎さん
牛乳は5大栄養素がバランスよく含まれている飲み物ですが、タンパク質の一種であるカゼインやβラクトグロブリンなどを原因とする牛乳アレルギー を発症する人も、一部ですが存在します。アレルギーの程度には個人差がありますが、人によってはアナフィラキシーショックを起こし、死に繋がることもあります。そのため、初めて飲む時には、アレルギーがないかを確かめるためにも、少量からスタートする必要があります。牛乳のアレルゲンは、加熱によってほとんど変化しないともいわれています。そのため、アレルギーの疑いがある場合、大量の牛乳を飲むことを避けるのはもちろんですが、医療従事者に相談することをおすすめします。
編集部
ほかにも、牛乳を飲む際に注意するべき人はどのような人ですか?
亀崎さん
牛乳を飲んで、お腹がゆるくなったり、痛くなったりという経験をしたことがある人もいるかもしれません。牛乳はアレルギー以外にも注意してもらいたいことがあります。それは「乳糖不耐症」です。乳糖不耐症は病気ではないのですが、乳糖不耐酵素が十分に働かずに生じてしまいます。日本人はこの乳糖不耐分解酵素が、不足している人が多いといわれています。そのため、牛乳を飲んで、不調を感じる場合は、無理に飲むようなことは避けた方がよいでしょう。しかし、どうしても飲みたいという場合は以下のことに気をつけてみてください。・一度の飲む量は少量で
・温めて飲む
・乳糖の量が少ないものを選ぶ
・発酵させたヨーグルトやチーズに代える
・腸内細菌叢を整える
あまりにひどい症状が出る場合には、医療従事者に相談してくださいね。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
亀崎さん
栄養バランスのよい牛乳ですが、牛乳ばかりに頼りすぎるのもよくありません。あくまでも、食事の補助的なものであり、選び方や飲み方のポイントもおさえながら上手に付き合っていけるとよいでしょう。ただし、不調の引き金になる場合もあるため、その点にだけは気をつけてくださいね。