楽天モバイルが700MHz帯による“プラチナバンド”の商用サービスを開始!

楽天モバイルは27日、東京・二子玉川にある楽天本社の楽天クリムゾンハウスにて記者説明会「楽天モバイル プレスカンファレンス」を開催し、同社が移動体通信事業者(MNO)として自社回線(以下、楽天回線)を構築して提供している携帯電話サービス( https://network.mobile.rakuten.co.jp/ )において総務省より認定を受けた「プラチナバンド」とも呼ばれる700MHz帯(Band 28)の商用サービスを2024年6月27日(木)に開始したと発表しています。

説明会では同社代表取締役会長の三木谷 浩史氏が登壇し、同氏がボタンを押して700MHz帯の商用サービスを開始するという演出が行われ、開始後には実際に700MHz帯に対応するスマートフォン(スマホ)が接続できていることを示したりしていました。今後、残されたカバレッジホールを優先して自社基地局によるプラチナバンドの展開を順次拡大していく予定となっています。なお、楽天モバイルの700MHz帯は狭帯域3MHz幅×2で運用されます。

また楽天モバイルでは700MHz帯の基地局展開に加えて共用帯域における衛星通信との干渉調整条件の緩和によって関東地方における楽天回線の5G(Sub6)エリアを2024年内に同年1月比で最大1.6倍まで順次拡大する取り組みを進めており、さらに全国における5G(Sub6)基地局のソフトウェア更新によって5Gの通信速度・安定性の大幅な向上が可能となるほか、基地局のパラメータ最適化によって4G・5G間のよりスムーズな切り替えが可能となるとのこと。

これにより、すでに東京都内では5G(Sub6)の接続におけるセル当たりのトラヒックが約2.3倍、接続数が約1.5倍、通信速度が約2倍に向上したほか、東海地方と近畿地方においてもこの施策を進めており、東海地方ではトラヒックが約1.3倍、接続数が約1.1倍、近畿地方ではトラヒックが約1.7倍、接続数が約1.4倍、平均通信速度が約1.6倍に向上していることからこの施策を引き続いて推進していくことによって全国で通信品質のさらなる向上が期待されるます。

その他にもパートナーのKDDIおよび沖縄セルラー電話の協力によるau回線のローミングエリアの拡大・最適化や地下鉄・鉄道(駅間)・鉄道トンネル・地下街などにおける共用基地局の整備の推進、自社基地局(4G・5G)の継続的な拡充などといったさまざまな施策を組み合わせることによって楽天モバイルでは通信品質のさらなる向上に向けた取り組みを推進していくとしています。

なお、同社ではプラチナバンドの商用サービス開始を記念した『「プラチナバンド始動&700万回線突破記念」キャンペーン』( https://network.mobile.rakuten.co.jp/campaign/x/ )を6月27日より実施し、楽天モバイルの公式X(旧:Twitter)アカウント( @Rakuten_Mobile )をフォローしてキャンペーン投稿をリポストした人を対象に抽選で77人に楽天ポイントで7,777ポイントをプレゼントするということです。


楽天モバイルではこれまで総務省から4G向けとして1.7GHz帯(Band 3)を割り当てられているほか、5G向けとしてSub6の3.7GHz帯(n77)とミリ波(mmWave)の28GHz帯(n257)が割り当てられ、主に4Gの1.7GHz帯でエリア展開を行い、足りないエリアはパートナー(au)回線によるローミングを利用してきました。今回、そうした中で新たに4G向けとして電波の浸透性が高いプラチナバンドと呼ばれる700MHz帯(Band 28)の商用サービスが開始されました。

同社ではこれまでの1.7GHz帯において全国に展開するOpen RAN対応の完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワーク構築の知見を生かすことによって700MHz帯においても迅速に商用サービスの開始を実現したとしています。これにより、プラチナバンドの特性である電波の浸透性を活かし、特に利用者数およびトラヒックの多い都市部において残されたカバレッジホールを優先して自社基地局によるプラチナバンドの展開を順次拡大していく予定となっています。


なお、700MHz帯の基地局にはノキアの無線機を採用することが明らかにされており、この無線機は小型かつ軽量であることに加えて低消費電力を実現しており、楽天モバイル傘下の楽天シンフォニーが開発する次世代分散ユニットの仮想化技術によって仮想化およびOpen RANに対応しているとのこと。これにより、新たに置換する1.7GHz帯および700MHz帯対応のアンテナへ、既存の1.7GHz帯用無線機と併設する形で取り付けてソフトウェア更新をすることで基地局の運用開始が可能となります。

一方、5Gについても全国にOpen RANベースの完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークを構築して2024年5月末時点で全国に合計1万7210局の5G屋外基地局を展開しており、2024年6月末までに5G基地局を構成する楽天シンフォニーの無線アクセス装置DU(分散ユニット)およびCU(集約ユニット)のソフトウェア更新を実施することでMassive MIMOにおけるビームフォーミング機能の拡張を実現したとのこと。




これにより、5Gの通信速度・安定性の大幅な向上を可能とするほか、基地局のパラメータ最適化によって4G・5G間のよりスムーズな切り替えを可能とし、合わせて共用帯域における衛星通信との干渉調整条件の緩和によって関東地方における既存の5G基地局の電波送信出力を上げることが可能となり、これらの基地局の送信出力引き上げとソフトウェア更新によって5G(Sub6)基地局のキャパシティを増強する施策を行っています。

その結果、2024年5月から年内を目途に関東地方における楽天回線の5Gエリアを2024年1月比で最大1.6倍まで順次拡大する取り組みを進めるほか、東京都内では5G(Sub6)の接続におけるセル当たりのトラヒックが約2.3倍、接続数が約1.5倍、通信速度が約2倍に向上し、東海地方と近畿地方においてもこの施策を進めており、東海地方ではトラヒックが約1.3倍、接続数が約1.1倍、近畿地方ではトラヒックが約1.7倍、接続数が約1.4倍、平均通信速度が約1.6倍に向上したということです。




その他、グローバル分析会社のOpensignalが2024年4月に発表した「モバイル・ネットワーク・ユーザー体感レポート」では「5Gエクスペリエンス」カテゴリーで「5Gアップロード・スピード」と「5Gダウンロード・スピード」で単独受賞しており、国内最速の5Gネットワークとして、通信速度においても高い評価を獲得しています。なお、楽天シンフォニーが開発するDU・CUは仮想化に対応しており、仮想化プラットフォーム上で稼働する基地局のソフトウェアを迅速にアップグレードすることが可能です。

またすでに紹介しているように同社のMNO契約数が700万回線を突破し、さらに今回、プラチナバンドの商用サービス開始したことでそれそれを記念した『「プラチナバンド始動&700万回線突破記念」キャンペーン』を実施しており、楽天モバイルの公式X(旧:Twitter)アカウントをフォローしてキャンペーン投稿をリポストした人を対象に抽選で77人に楽天ポイントで7,777ポイントをプレゼントするということです。なお、キャンペーンはキャンペーンWebページでエントリーが必要なのでご注意ください。






記事執筆:memn0ck


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