MEGUMI

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「美容をやれば変わると経験からわかっているし、変わったらうれしい」と話すMEGUMIさん(写真:今井康一撮影)

俳優・タレントとして活躍を続けながら、子育てに奮闘するMEGUMIさん。新刊『心に効く美容』(講談社)では「美容をやることで、肌だけでなく、確実に心も変われた。自分を幸せにするのは美容がいちばんの近道」と話している。

自分が幸せだと、余裕が生まれ、他者や仕事への向き合い方も変わり、人生も変わる--そんな美容の力と向き合いながら、年を重ねても美しくあり続けるMEGUMIさんに、すべての女性が今日からでも始められる美容について聞いた。

産後、どん底だった自分に一筋の光が差した

――MEGUMIさんは、いつ頃から本格的に美容を始めたのですか?

27歳で出産して仕事に復帰した頃、それまで肌にかけてきた負担が一気に表に出てきたんです。


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肝斑やシミ、シワ、ほうれい線がひどくて、撮影されるのが嫌になるくらいでした。昔は若さを過信して、グラビア撮影のあと日焼けオイルやメイクをちゃんと落とさなくても平気だったのですが、そのツケが回ってきたんです。

「自分はこのままおばあちゃんみたいになっちゃうのかな」と、周りの人より一足早く老けてしまったことを悲観して、性格がすごく内向きになりました。

【写真】シートマスクから美容を始めたというMEGUMIさん。デコルテにもシートマスクを愛用しているという(ほか5枚)

そんなときに友人のヘアメイクさんから「美容を始めたほうがいいよ」とアドバイスされて、「試せることは全部やってみよう」と腹を括ったのがきっかけです。

――最初は何から始めたのでしょうか。

シートマスクですね。亡くなった佐伯チズ先生に「肌の内側を保湿することが大事だよ」と教えていただいて、その日から1日も欠かさず続けてます。

夜お風呂から上がった後と、朝起きて顔を洗った後の1日2回、5分から10分ほど貼っています。15分以上貼ると肌の油分をシートに持っていかれてしまうので、それまでに剥がすようにしています。

1回目で透明度が上がったので、「これを1カ月、1年、10年続けたらどうなるんだろう」と、どん底だった気持ちに一筋の光が差しました。


「きれいになりたい、という気持ちがモチベーション」と話す(写真:今井康一撮影)

――忙しい中で、美容の時間を確保するコツはありますか?

生活動線の中に、美容を組み入れるのが続ける秘訣です。例えば、シートマスクを炊飯器の横や洗濯機の上に置いたり、「ここなら絶対に目に入るから忘れない」場所を決めるんです。シートマスクを貼ったり美容液を塗るのは数秒のことなので、歯を磨くように毎日続けることが大切だと思います。

――美容に関する情報収集はどうしていますか?

周りの人と美容について話したり、通っているサロンの先生におすすめを聞いたり、口コミがメインです。素敵だなと感じる人に「綺麗になりたいんだけど何かやってる?」と尋ねてみるのもいいと思います。

美容ケア用品も、今はネットですぐ手に入るので、いいと思ったものはすぐにポチッと買う!「明日にしよう」ではやらないので、思い立ったときに実行するのが大事です。忙しい中で、何に時間をかけるのかという選択が重要になってくると思います。

「美容をやっても意味がないのかな」と思ったことも

――どうやって美容へのモチベーションを保っていますか?

「きれいになりたい」という気持ちです。「美容をやれば変わる」と経験からわかっているし、変わったらうれしい。その喜びをいちばん求めていますね。

昔の写真を見ると、今より年齢は若いのにほうれい線が深いんですよ。変化を実感できると、人に優しくなれたり、仕事を頑張ろうと思えたり、ライフスタイルそのものに大きく影響すると思います。

――これまで、美容に対してネガティブになりそうなことはありましたか?

昔は、疲れてほうれい線が出てきたりすると「美容をやっても意味ないのかな」と思ってしまうことがありました。でもそこで諦めると、どんどん深くなって取り返しがつかなくなってしまいます。

今は「ほうれい線が出てきたら、ここをマッサージすれば少し薄くなる」と自分なりの処方箋がわかっているので、何とか踏ん張っています。


デコルテにもシートマスクを愛用しているという(写真:今井康一撮影)

――簡単に取り入れられる美容やメイクがあれば教えてください!

まずはシートマスクですね。メイクならリキッドチークです。頬より少し高めにオンするだけでツヤが出るし、健康的に見えるんです。

大人になってくると顔の表情が乏しくなり、「あの人、怖い」とか「元気がない」という印象になってしまうこともありますが、一瞬で印象を変えられるアイテムだと思います。


左:頬より少し高めにリキッドチークをオンするだけでツヤが出て健康的に見える。右:MEGUMIさんはスカルプブラシを持ち歩き、移動中や「疲れたな」と感じたときに使うという(写真:『心に効く美容』講談社、西原秀岳撮影)

また、仕事で頭を使い続けている方には、スカルプブラシがおすすめです。仕事の合間に頭皮をマッサージすると血行がよくなるし、シャンプーをするときに使うと泡立ちやスッキリ感が違います。

私は朝メイクをする前や、カバンに入れておいて移動中や「疲れたな」と感じたときにちょこちょこ使うようにしています。

服やメイクで盛るより自分のケアが大切

――年を重ねる中で、美容の重要性は増していくのでしょうか。

この歳になると服やメイクで盛ることが難しくなるので、自分の状態をよくしておかなければいけないなと感じています。

忙しい方ほど、服装にお金をかけるよりも、短い時間でもいいので自分をケアすることが大切になるのではないでしょうか。美容をするのは、日常の中で一呼吸おく時間にもなりますし、ずっと忙しくしているのは危険だなと思います。

――30代、40代は精神的にも疲れが溜まりやすいと思うのですが、心を健やかに保つために意識していることはありますか?

「あれやらなきゃ」「あの人に連絡しないと」というのが溜まっていくと、どんどんシリアスになってしまうのでサッとやるようにしています。

後回しにするのは、おじさん、おばさん化の始まりのような気がするんです。もしくは「今日はやらない」と決めてしまう。心を軽くしておくためには、メリハリが必要だと思います。


MEGUMI/俳優・タレント。1981年生まれ。岡山県出身。雑誌やテレビ番組で活躍するほか、多くのドラマ・映画に出演している。人生のテーマは「女性であることを最大限に経験し、それを伝え、世の中の女性をしあわせにする」。2024年5月に『心に効く美容』(講談社)を発売(写真:今井康一撮影)

美容の取捨選択に、生き方のセンスが出る

――20年後、30年後のためにどんなことを意識してやっていますか?


運動をして、ストレスを溜めず、血流をよくするようにしています。家のリビングでYouTubeの動画を見て、ピラティスと筋トレの間くらいのトレーニングをしています。今日はお腹、翌日は腕と、負荷をかける場所を変えながら、毎日10分位ずつですね。

ジムに行けない日が続くと自分を責めてしまうし、「どうやったら続けられるか」を考えたときに、「今の自分にはYouTubeだな」と思いました。何もせずに眠ると疲れが残ってしまうので、どうしてもトレーニングができないときはスクワットを10回だけやったり、絶対に毎日運動すると決めています。

また、自分の価値観が凝り固まらないように、若い子と話すようにしています。年齢が上の人と一緒にいるほうが心地よく感じるようになってくるのですが、自分がスタッフィングをするときは、若い方も入れるよう意識しています。

――今後は、どんなふうに年を重ねていきたいですか?

私は、女優のモニカ・ベルッチさんが大好きなんです。知的で色気があって、ケアするところはしているけど、品のある朽ち方をしている人になりたいです。

自分のアイコンがあると、やったほうがいいこと、やらないほうがいいことが見えてくるので、「20年後、30年後にこうなりたい」と思える存在を指針にするといいと思います。

美容はやりすぎると怖いし、やらなすぎると見苦しいし、生き方として絶妙なセンスが問われるものだと思います。客観的な視点を持ちながら、そのバランスを追求していきたいですね。

(都田ミツコ : 編集者・ライター)