第1回の昨年に続き今年も開催の『THE SECOND 2024』。一般審査員による採点の漫才トーナメント! ギャロップの次に栄冠をつかむのは?

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第1回の昨年に続き今年も開催の『THE SECOND 2024』。一般審査員による採点の漫才トーナメント! ギャロップの次に栄冠をつかむのは?

結成16年以上の漫才師による、異色の漫才トーナメント『THE SECOND』。第2回を迎える今年の見どころや優勝予想などの楽しみ方を聞いてみました!

【写真】『THE SECOND 2024』に出場する8組

■芸人の本当の手腕が問われる大会

結成16年以上が出場資格のお笑い賞レース『THE SECOND 漫才トーナメント 』のグランプリファイナルが18日に開催される。

2回目となるこの大会の楽しみ方を解説してくれたのは、ハリガネロックとして『M−1』2001年、02年と2年連続決勝進出し、最高2位。現在はお笑い講師としても活躍するユウキロック氏。

今大会の見どころは?

「今回こそ本当のTHE SECONDの始まりとなる大会ではないでしょうか。初回を終え、視聴者も観客もTHE SECONDとは何かがわかった。

"セカンドチャンス"的な控えめな大会名ですが、6分の中で徹底的に目の前の人を笑わせる、芸人の手腕が問われる厳しい戦いです。本来の芸人のあるべき姿を映す大会なのかもしれません」

M−1と違う楽しみ方は?

「まず、M−1より2分長い6分のネタという点。6分通して一本の物語をやりきるコンビもいれば、2分はツカミで残り4分にネタをガーッとやるコンビもいる。

6分のネタって、芸人はあまり使わないんですよ。テレビだと2〜4分だったりするので。だからこの6分というのは非常に難しい数字で、個性が出やすい。各コンビの時間の使い方に注目です。

あとは、審査員が目の前のお客さんという点(100人の観客が『とても面白かった:3点』『面白かった:2点』『面白くなかった:1点』の3段階で審査を行なう)。

いい意味で、玄人ウケや斬新さとかを度外視できて、反則スレスレでも目の前の観客の笑いが取れればOK。去年の三四郎がタブーっぽいことをネタにしても『アリ』という前例を作りましたので、今回もなんでもアリな大会になるんじゃないかなと思います。

って、マシンガンズなんて決勝戦で『ネタがない』って騒いでましたから(笑)。そのあたりも含めて、純粋に笑いを取った人が勝つ大会ですね」

では、グランプリファイナル出場8組の簡単な紹介をしてもらおう!

《ハンジロウ》

「ふたりとも沖縄県出身。沖縄特有の温かさとか緩やかな感じがにじみ出ているのがいい。誰もが安心して笑える漫才です」

ハンジロウ(左)たーにー、(右)しゅうごパーク

《金属バット》

「危険なにおいを醸し出しつつも、大阪吉本所属ならではの丁寧さもある。こうした風貌だから、ネタも勢い勝負っぽく思われがちだけど、実はしっかり練られています」

金属バット(左)小林圭輔、(右)友保隼平

《ラフ次元》

「大阪らしいベタな笑いというか、しっかりボケとツッコミが分かれた正統派漫才師です。ツッコミも極端なワードを使うわけじゃなく丁寧にツッコんでいく。漫才のお手本のような感じです」

ラフ次元(左)梅村賢太郎、(右)空道太郎

《ガクテンソク》

「ツッコミの奥田君の器用な言葉選びの妙で笑いを取っていくスタイル。とぼけたよじょう君に対し、奥田君の理路整然としたツッコミがさえます」

ガクテンソク(左)よじょう、(右)奥田修二

《ななまがり》

「昔はトリッキーなことばかりやってたんですけど、今はトリッキーさの中に世間との共通項みたいなものを持てるようになったと思います。世の中の人にもわかる笑いを足してきて強くなりました」

ななまがり(左)森下直人、(右)初瀬悠太

《タモンズ》

「揉め合いが面白いコンビ。特徴的な声質の安部君がボケを出して、大波君が的確なツッコミを決める。東の正統派漫才師というイメージです」

タモンズ(左)大波康平、(右)安部浩章

《タイムマシーン3号》

「とにかくボケ数が多い、しゃべりがうまい、笑いが多い、テンポもいい。加えて、関君が"太ってる"という見た目のわかりやすさもある。これは最強ですね。全部持ってるコンビなんですよ」

タイムマシーン3号(左)山本浩司、(右)関太
《ザ・パンチ》

「パンチパーマのパンチ浜崎君が天然ぽいボケをかまし、ノーパンチ松尾君が言葉巧みに否定していくスタイル。松尾君のしっかりしたツッコミで笑いを取っていきます」

ザ・パンチ(左)パンチ浜崎、(右)ノーパンチ松尾

■気になる優勝候補は?

続いては、グランプリファイナル1回戦の対戦の見どころを順に解説してもらおう。

【第1試合】ハンジロウ vs 金属バット

「2年連続ファイナル出場の金属バット。一方、ハンジロウは去年、予選会で敗退しています。去年の実績でいえば、最も差がある2組ですね。

金属バットはM−1では『今年こそ決勝に』と言われ続けたんですが、結局かなわず。もしかしたら、6分くらいのネタでやっとわかってもらえるのかもしれません。

ハンジロウは実力がありながらも、大きな賞レースだとなかなか結果が出ずといった感じでした。M−1ではラストイヤーは3回戦で終わってるんですよ。あと、ハンジロウだけが今回のファイナリストの中で副業をしています。

かもめんたるの槙尾(ユウスケ)君のカリガリマキオカリーの姉妹店で店長をやってるんです。もし、この大会で売れたとしても店が繁盛するから、副業もやめなくてもいいと思いますけどね」

【第2試合】ラフ次元 vs ガクテンソク

「去年のギャロップvsテンダラーに続く大阪ダービー。厳密に言うと、ガクテンソクは去年東京進出しましたけど。

ラフ次元は去年優勝したギャロップに1点差で負けたんす。一方、ガクテンソクも去年準優勝したマシンガンズに負けた。去年活躍した2組に苦汁をなめさせられた2組がぶつかります。

ガクテンソクは実力派ですが、M−1ではあと一歩で決勝にいけないというコンビでした。大阪の賞レースでも準優勝が多い。そんなシルバーコレクターの鬱憤を晴らす時だと思います。

ラフ次元もガクテンソクと似ていて、安定した丁寧な漫才をするコンビ。若い頃の賞レースって、不安定でも爆発力が必要なんですけど、それがこの2組には足りなかったのかな? 煮え切らなかったものを爆発させる時が来たんではないでしょうか」


グランプリファイナルの司会は2年連続で東野幸治と宮司愛海。東野氏は『THE SECOND』を「『M-1』とはまったく違った大会」と評している

【第3試合】ななまがり vs タモンズ

「東西の吉本同期対決。ななまがりは去年がM−1ラストイヤーで、その勢いのまま今大会に出場。ネタ時間がM−1より2分延びても、あまり関係なく突っ切った印象です。タモンズはM−1の準決勝の舞台も踏めなかった不遇のコンビです。

吉本の埼玉・大宮の劇場の『大宮セブン』というグループに所属しているんですけど、そこはマヂカルラブリーやジェラードンなど実力派ぞろい。

そのグループの面々が賞レースの決勝進出を成し遂げていく中、タモンズだけがしんどい思いをしてきたんですけど、ようやく大舞台へ進出といったところでしょうか。長年やっている中で、円熟味が増してきたんだと思います」

【第4試合】タイムマシーン3号 vs ザ・パンチ

「タイムマシーン3号はM−1、キングオブコント共に決勝進出し、今大会でもファイナル進出。驚異の実績を誇るコンビです。しかも、M−1では第1期と第2期のどちらでも決勝進出しているんです。

今回のメンバーの中では一番テレビで活躍しているコンビですけど、M−1でウケたのが今の活躍につながってるんだと思います。M−1で得をしたコンビですね。一方、ザ・パンチはその逆。

08年のラストイヤーでM−1の決勝にいったんですけど、当時は審査員も辛辣で、酷評されて最下位になった。それでもくじけずにこの大舞台に戻ってくるって、根性ありますよね。這い上がってきた彼らに頑張ってもらいたいです」


ハイパーゼネラルマネージャー・有田哲平。有田氏は賞レースの司会も審査員も務めたことがなく、今回初めてスタジオで賞レースを観戦


スペシャルサポーターの博多華丸・大吉。ふたりは『THE MANZAI 2014』王者

それでは、以上を踏まえて優勝予想をお願いします!

「ななまがりです。トリッキーながらも世の中との距離感がわかってきて、今ではテレビ用に短いネタもちゃんと考えられるようになった。

タイムマシーン3号が上がってきたとしても、タイムマシーン3号はネタの数を打ってくると思うんですけど、ななまがりは強いものをドーンと出せる。ななまがりが各所でブレイクする予感がしています」

決戦は5月18日土曜日。目が離せない!

取材/渡辺ありさ 写真/©フジテレビ(有田哲平、博多華丸・大吉以外)