なぜ「立体駐車場」ではタイヤが“キュルキュル”鳴る?「特殊な床」が原因なの!? 異音には「部品の劣化」の可能性も

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「キュルキュル音」の正体はタイヤじゃない?

 商業施設などの立体駐車場を走行した際、ハンドルを切ると「キュルキュル」という大きな音が鳴った経験のある人は少なくないでしょう。
 
 またこの音は自分のクルマだけでなく、他のクルマから聞こえることも。では一体なぜキュルキュル音が鳴るのでしょうか。

立体駐車場での「キュルキュル音」なぜ鳴るの?

 このキュルキュル音の発生理由について自動車ディーラーに勤める整備士に話を聞いたところ、以下の回答がありました。

【画像】「えっ…!」 これが絶対に無断駐車できない「危険な駐車場」です(13枚)

駐車場などで鳴るキュルキュルとした音は、タイヤと地面がこすれたときに出る“摩擦音”が主な原因です。

 デパートなどの立体駐車場の床は“水はけ”を良くするための特殊な塗料が塗られているため、一般的な道路よりも滑りやすくなっています。

 そこを右左折などグリップがかかる走行をすることで、タイヤと床に強い摩擦が生じ、キュルキュルと大きな音が鳴ってしまうのです」

 このように、立体駐車場の床には特殊な施工は行われていることで、普段の走行では鳴らないようなキュルキュル音が発生しやすくなっているとのこと。

 また同様の塗料が使用された駐車場では、右左折だけでなく、停車時にハンドルを左右に動かしても「ギュギュ」と音が鳴ります。

 それに加えて、立体駐車場は音が反響しやすい環境であることも、キュルキュル音が気になる要因かもしれないと先述の整備士はいいます。

床が原因じゃない「キュルキュル音」には要注意!

 床が滑りやすいという理由で、キュルキュル音が生じているだけなら問題ありませんが、一般的な道路でもキュルキュルと擦れる音がするのであれば、タイヤをはじめとした部品が劣化している可能性も考えられます。

立体駐車場での「キュルキュル音」なぜ鳴るの?

 タイヤの経年劣化が進行するとゴムが硬くなり、地面との摩擦音が発生しやすくなります。

 タイヤからキュルキュルと音が鳴るようになれば、タイヤの劣化を疑って確認し、必要に応じて交換を検討しましょう。

 他にも、キュルキュル音がエンジンルームから聞こえている場合も注意が必要です。

 この場合は、「オルタネーターベルト」や「エアコンベルト」あるいは「パワステベルト」などが劣化している可能性があります。

 これらはゴム製のタイプが多く、タイヤと同じように経年劣化し硬化すると、キュルキュルと音が鳴るようになります。

 この状態を放置してしまうと将来的にベルトが切れてオーバーヒートを起こしたり、発電できなくなったりすることもあるので、エンジンルームからキュルキュルと異音が鳴るようになったら最寄りのディーラーや整備工場など相談しましょう。

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 このように、立体駐車場タイヤがキュルキュルと鳴るだけであれば、床が滑りやすくなっているためであり心配はいりません。

 しかし、立体駐車場以外の場所でもキュルキュルと音が鳴るのは、タイヤやエンジンルーム内に何か異常が発生している可能性がありますので、早めに点検や整備、部品の交換をするようにしましょう。