欧州委員会がDSA違反の疑いでTikTokに対する2度目の調査を開始
フランスとスペインでサービスが始まった「TikTok Lite」にデジタルサービス法(DSA)違反の疑いがあるとして、欧州委員会(EC)がTikTokに対する調査を開始しました。ECによるTikTokの調査が行われるのは、2024年2月に続いて2度目です。
Commission opens proceedings against TikTok under the DSA
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/IP_24_2227
EU opens probe of TikTok Lite, citing concerns about addictive design | TechCrunch
https://techcrunch.com/2024/04/22/tiktok-lite-dsa-probe/
EU threatens TikTok Lite with ban over reward-to-watch feature | TikTok | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2024/apr/22/eu-threatens-to-ban-tiktok-lite-over-reward-to-watch-feature
「TikTok Lite」は、いろいろな動画を視聴したり、動画に「いいね」をつけたりというタスクをこなすことでポイントを獲得することができる「ポイ活」アプリです。
TikTok Lite ポイント!動画!うれしい!楽しい! - Google Play のアプリ
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.ss.android.ugc.tiktok.lite
ECが問題視したのは、仕組みの根本的な部分である「タスクをこなすとポイントが得られる」という部分。TikTokには効果的な年齢確認メカニズムが欠けているため、子どもが「ポイ活」中毒になる危険性がある、というのがECの主張です。
ECが求めているのは、DSAの義務に基づいた、機能を展開する前のリスク評価レポートの提出と、未成年者のメンタルヘルスへの悪影響リスクを軽減する措置です。
ECはすでに、2024年4月18日を期限としてTikTok Liteのリスク評価レポートの提出を求めましたが、TikTokからは期限内の提出がなかったとのこと。改めて、提出期限は4月23日に延ばされたほか、TikTokは委員会が求めるその他の情報を5月3日までに提出することが求められています。
もし期限内に情報要求に応じなかった場合、年間総利益または全世界年間売上高の最大1%を上限とした罰金、および1日の平均利益または全世界年間売上高の5%を上限とした継続的な罰金を科すことができます。
なお、「子どもを危険にさらす可能性がある」としてTikTokに対して2024年2月から行われている調査も引き続き進められています。
「TikTokは子どもを危険にさらす」として欧州委員会が調査開始 - GIGAZINE
なお、ニュースサイト・TechCrunchによるコメント要請に対して、TikTokを運営するByteDanceの広報担当者は「今回の決定には失望しています。TikTok Liteの報酬機能は18歳未満は利用できず、ビデオウォッチのタスクにも1日ごとの制限があります。委員会との協議を継続します」と述べたとのことです。