Meta QuestのOS「Meta Horizon OS」をサードパーティー企業に開放するとMetaが発表、Microsoftと「Xbox限定版Meta Quest」を準備&ASUSやLenovoが対応デバイスを開発中なことも明らかに
Meta Quest 3やMeta Quest ProなどのMR(複合現実)デバイスを提供するMetaが、Meta QuestデバイスのOS「Meta Horizon OS」をサードパーティーのハードウェアメーカーに開放すると2024年4月22日付けで発表しました。
Meta Horizon OS: 複合現実(MR)の新時代 | Meta Questブログ | Meta Store
https://www.meta.com/ja-jp/blog/quest/meta-horizon-os-open-hardware-ecosystem-asus-republic-gamers-lenovo-xbox/
https://about.fb.com/news/2024/04/introducing-our-open-mixed-reality-ecosystem/
An Xbox VR headset is on the way, but it’s a ‘limited edition’ Meta Quest - The Verge
https://www.theverge.com/2024/4/22/24137334/xbox-vr-headset-microsoft-meta-quest-limited-edition
これまでMeta Questデバイスに搭載されてきたOSの正式名称が「Meta Horizon OS」となったことが発表されました。これを受けて、Meta Questデバイス向けのアプリをリリースする「Meta Questストア」は「Meta Horizonストア」に、スマートフォンでMeta Questデバイスと連携するモバイルアプリは「Meta Horizonアプリ」に名称が変更されます。
また、Meta Questストアとは別に、要件を満たした開発者であれば誰でも自作のアプリをリリースできる「App Lab」という場所も用意されていますが、Metaは「Meta HorizonストアとApp Labとの間の垣根を取り除く」と述べています。
Meta Horizon OSとしてサードパーティー企業に開放するということは、Meta Questと同じOSを搭載し、Meta Quest向けアプリを実行できるデバイスを他企業も開発できることになります。Metaによれば、すでにASUSのゲーミングブランドであるRepublic of Gamers(ROG)やLenovoがMeta Horizon OSを搭載するMRデバイスを開発中だとのこと。
ASUSの許先越(S.Y. Hsu)共同CEOは「私たちは、仮想現実と複合現実を取り巻く素晴らしいゲームコミュニティに刺激を受けてきました。そして、とても情熱的なゲームプレイヤーは高性能なハードウェアを求めていることも認識しています。Meta Horizon OSにより、ASUSとRepublic of Gamersは次世代のゲーミングヘッドセットを構築します」と述べています。
また、Lenovoの楊元慶CEOは「複合現実は、デジタル体験と物理的空間を融合し、生産性、学習、遊びを新たなレベルへと引き上げることで、人々のコンピュータとの接し方を変革しています。過去のパートナーシップの成功を土台に、レノボは、Meta Horizon OSとレノボのパーソナル・コンピューティングにおけるリーダーシップとイノベーションを組み合わせることで、バーチャルスクリーンや、遠隔でのプレゼンス、コンテンツ消費、没入型トレーニングのような複合現実における新しい利用シーンの展開を加速させていきます」とコメントしました。
さらに、MetaはMicrosoftのゲーム部門であるXboxと提携し、「Xboxにヒントを得た限定版のMeta Quest」の開発に共同で取り組んでいることを明かしました。ただし、このXbox限定版Meta Questがどういうものになるのかは具体的に発表されていません。
なお、MetaとXboxが提携するのはこのXbox限定版Meta Questの開発が初めてではなく、Meta QuestデバイスでXbox Cloud Gamingが公式に利用可能になっています。
Meta QuestシリーズのVR空間内でクラウドゲームサービス「Xbox Cloud Gaming」が利用可能に、場所や時間を選ばず数百種類のゲームが楽しめる - GIGAZINE
Metaは「Metaのソフトウェアおよびハードウェアスタックと深く統合されているSnapdragonプロセッサを製造するQualcomm Technologies社との長期的な協力関係による恩恵を得ることができます」と述べており、Xbox限定版Meta Questだけではなく、ASUSやLenovoが開発しているデバイスにも、Meta Quest 3に搭載されているSnapdragon XR2 Gen 2のような「MRデバイス向けチップ」が採用されるとしています。
Qualcommのクリスティアーノ・アモンCEOは「物理空間とデジタル空間の融合は加速しており、仮想現実、複合現実、拡張現実が次のコンピューティング・プラットフォームになると考えています。このような未来を実現するために、これらの高性能デバイスには、全く新しいクラスのSnapdragonプロセッサが必要です。Metaとのコラボレーションは、業界のベンチマークとなるような素晴らしい体験を生み出しました。この新しいエコシステムが形になっていくのを見るのが楽しみです」とコメントしました。
Metaのマーク・ザッカーバーグCEOはInstagramに公開したムービーで、「どの時代でも、コンピューティングのモデルにはオープンなものとクローズドなものがありました。PCの時代においては、オープンなモデルが勝利を収めます」と述べ、Meta Horizon OSをGoogleのAndroidのようにオープンなものにし、次世代コンピューティングを定義することがMetaの目標であると語りました。