スーパーやコンビニで「買わなくなったもの」は? 周囲の人たちに聞いてみた。

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なにもかもが、値上がりするのが止まらない。外食チェーンでもすき家の牛丼は430円。松屋の牛焼肉定食は790円と相次ぐ値上げが話題になった。

ユニクロの柳井正氏は4月11日の決算説明会で、円安や実質賃金の減少にも触れ「買い控えして当然だ」と消費マインドの冷え込みを指摘している。こうなってくると贅沢品の買い控えは当たり前だ。でも、今や買い控えは、以前なら気軽に手に取っていたような生活必需品にまで及んでいる。

みんなはコンビニやスーパーで、どんなものを買い控えるようになっているのか? 周囲の人たちに聞いて回った。(文:昼間たかし)

食材は「とにかく安いもの」を買う

まず、話を聞いたのは30代の会社員男性(独身・都内・年収600万円)だ。

「仕事の合間に、コンビニスイーツで脳を休めていたんですがやめました。そもそも、コンビニに行くことも減りましたね。糖分は会社のコーヒーサーバーの砂糖で補給しています。また、社内のオフィスグリコもついつい手が伸びてたんですが、最近は“いま食べなくてもいいだろ”と手が止まります。というか、社内をみても使ってる人が減りましたね」

お菓子が無駄と考える人は多いようだ。40代の会社員女性(都内・年収500万円)も、こう語る。

「自分用のお菓子はほとんど買っていません。子連れでスーパーに行った時くらいですね。最近買ったお菓子はのど飴ぐらいです」

また、「○○の素」のような特定の料理にしか使えない即席調味料を買い控えるという声も多かった。40代の会社員男性(地方・年収600万円)は、家事分担で料理をする機会が多いのだが……。

「このところ買わなくなったものの代表格はクックドゥ。確かに便利なのだが、自宅にある調味料で味付けすれば十分です。例えば、回鍋肉とか別に本格的な味を食べたいわけではありません。自宅の味噌とかを使えば十分じゃないかと思っています。こっちのほうが、我が家の味感もありますしね」

一方で、意見が分かれたのは醤油や塩などの調味料だ。

「醤油や塩などの必須の調味料は、値段で選んでいます。もちろん選ぶのは安い方です。もちろん、高い方が美味しいのはわかるが、そんなものを選ぶことができるのはセレブだと思っています。一番安い塩でも最低限の味はしますよね」(都内・50代女性・年収300万円)

「調味料などは高くなっても、そこそこのものを買っています。味付けがちゃんとしていれば、安い食材でも十分満足出来る味になると思っています。例えば、ウェイパーを使うと、肉がなくてもご飯がすすむ味にできますよ。素材はケチっても調味料はケチれません」(都内・40代女性・年収500万円)

食材に関しては、ちょっとした贅沢を買い控える人もいる。

「朝食のパンにこだわるのをやめました。これまで近所の高いパン屋で一斤500円くらいする食パンを買っていましたけど、このところの値上がりで壮大な無駄ではないかと気付きました。正直、どこでも売っているパスコの超熟でも十分美味しいと思うんです。最近は、肉のハナマサで売っている食パンも、美味しいなと思っています」(都内・30代男性・年収600万円)

確かに量販店で売っている食パンも、トーストすれば十分に美味しくいただける。

ほかにも食材に関しては「肉は豚バラブロックしか買わなくなった」「カレーは安くて大量に買えるスジ肉のみ」といった意見も。

一方で、買い控えで安い商品切り替えたら、失敗したという人も。

「トイレの掃除シートをトイレクイックルではなく、ノーブランドの安いものに変えたんです。とにかく破れやすくて、枚数は余計に使うし、洗剤も貧弱で汚れが落ちていない気がするんですよね。ここでケチったのは失敗でした」(都内・50代女性・年収400万円)

先日、スーパーで牛乳の試飲をしたらとても美味しかった。ところが、パックの牛乳の値段はまさかの300円超え。「こんな贅沢な牛乳を買っていいのだろうか。いや、これはとてつもない無駄だ」そう思って、とても買えなかった。きっと、誰もがこんなことを考えるようになっているのだろうなと、思った。