踊りとも共通点あり? ダンサー・田中泯の文章が人を惹きつける理由とは!?
4月3日「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)、大竹メインディッシュのコーナーにダンサー・田中泯さんが出演した。田中さんは東京出身で現在は山梨在住。山梨県の新聞で連載されたエッセイをまとめた新刊『ミニシミテ』が発売中である。
大竹まこと「(田中泯さんの『ミニシミテ』を)読ませていただきましたけど、読んでいくと文章が想像を裏切っていくんです。書き方とかは……?」
田中泯「まったく練習もしたことない(笑)。しゃべったり書いたり、自分から出すものが好きじゃなかったんですよ」
壇蜜「発信をすることが」
田中「お芝居をするようになったのが57歳でしょう。それからようやく、しゃべるのがおもしろいと思い始めて。朗読もおもしろいと思うようになって。書くというのがおもしろくなったのは40を過ぎてからかな。でも1行ぐらいしか書けなかったんですよ」
大竹「それがなぜ(本を)?」
田中「少しずつ長くなって。文筆業ではまったくないから、平均値の高いものを書こうなんて思っていない。常識も知らないし、そのまんまです。踊りがそうなんですよ。僕の踊りってだいたい常識破りというか。うまいものを目指さない、売る気はひとつもないんです」
大竹「売れちゃっています!」
田中「踊りは本来、見えないものを交流し合うものなんです。言葉がなかった時代のことですから。一生懸命体を動かして、言葉で解釈しない」
壇蜜「思いを伝える」
田中「そう。僕たちが今しゃべれなかったら、この気持ちをどう伝えていくか。それが踊りだったんです」
大竹「でも文章、素敵ですよ」
田中「ありがとうございます」
壇蜜「御本の中に、フランスに行かれたときの描写もあって。フランスで見たもの、聴いたもの、感じたものをとてもリアルに書かれているな、って」
田中「僕は相変わらず、書いたものを自分で忘れてしまいます(笑)。本を読むのがすごく好きだけど、本立てに置いておいても、中に書いてあることはざっとは自分の中にあって、感動が残っているんです」
大竹「本にレヴィ=ストロースとか南方熊楠とか(の名)が出てきて驚きましたよ。読んでいたんだ、って」
田中「読んでいましたよ」