楽天G、金融事業再編で復活か!?
●楽天Gが金融事業を再編
楽天グループ(楽天G)は1日、傘下の金融事業を再編する検討に入ったと発表した。10月をめどに、銀行やカード、証券会社を1つのグループにまとめるとみられる。【こちらも】国産旅客機開発、再挑戦にかかる期待
発表を受けて、1日の株式市場では、楽天Gと楽天銀行の株価が共に約5%超上昇した。
楽天Gはモバイル事業の不振がここ数年の課題ではあるが、金融事業の再編をきっかけに再浮上できるのだろうか?
●再編の中身
楽天銀行を中核とし、楽天証券HD(ホールディングス)、楽天カード、楽天インシュアランスを1つの事業にまとめるとみられている。楽天証券HDが近々上場を目指すとみられていたが、上場は見送る形となりそうだ。再編後も楽天銀行の上場は維持されると発表している。
再編によって経営効率化を目指し、収益力を強化。巨額の設備投資で赤字が膨らんでいるモバイル事業の穴埋めも目論んでいるという見方もある。
ライバルであるソフトバンクのように、金融商品と通信料金を融合させたプランなど、シナジー効果にも期待がかかる。
●復活の切り札に?
楽天Gは今や本業のネット事業よりも、1400万口座超を誇る楽天銀行と1000万口座を超える楽天証券を中心とした金融事業の方が、営業利益を大きく上回っている。楽天Gは、来年にかけて携帯事業で嵩んだ巨額の社債償還を控えており、金融事業の収益力向上が急務だった。
楽天Gの携帯事業は、基地局の設備投資が多大な負担となり、5期連続の赤字となっている。しかし、携帯事業はKDDIの回線を借りる契約を結び、コスト削減に成功し、赤字額が減少した。法人契約に力を入れるなど、今後黒字化を目指す道半ばである。
再編の狙いについては、「機動的な意思決定とデータ連携やAI(人工知能)活用を含む連携の深化」を掲げている。
データ連携やAI活用など、さらなる金融事業の顧客拡大や収益化に繋がる可能性も期待できる。
携帯事業の黒字化と金融事業のさらなる進化が両方実現した時は、株価の上昇も期待できるだろう。