日本の『家』は他先進国より圧倒的にダメ?「このビルもそうです」ノンフィクションライターが指摘する『窓』の問題とは
集英社新書から発売中の『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』の著者であるノンフィクションライターの高橋真樹さんが4月1日の『大竹まことゴールデンラジオ』に登場。他の先進国と比べた日本の『家』の問題点を伺った。
大竹「こちらの御本は『「断熱」が日本を救う』というタイトルで、帯には『日本の家はなぜこんなに寒い!?』と書かれていますが、そうなんですか?」
高橋「冬に寒くなる先進国の中では、日本の家の断熱性能・気密性能は残念ながら圧倒的に低いというのが現実なんですね。既存住宅の約9割が、夏は暑くて冬は寒いのが当たり前の家だといわれています」
大竹「それが当たり前だと思ってましたけど、違うんですか?」
高橋「北欧やドイツなどでは、外が0度でも室内はほとんど暖房せずに20度を保っているような家も珍しくはないんですね」
阿佐ヶ谷姉妹・江里子「夢のお家ね」
高橋「月に光熱費が2000~3000円で済んじゃうような家があるんです」
大竹「このような家を『エコハウス』って言うんですか? 御本の中で紹介していて、これだとガス代とか電気代が、かなり安くなる?」
高橋「かなり安いですね。例えば自動車だと、今はオートマがメインですけど、昔は『5速運転』ってありましたよね。いっぱい『ふかして』坂を登るようなときは燃費を食いますが、スピードに乗ったときにそれを維持するだけのエネルギーは、あんまりかからない。それと同じで、エアコンで暖房・冷房するにしても、一度 快適な温度にして、それを維持するだけであれば、スイッチが入りっぱなしでも、ほとんど電気代かからないで済むんですね」
江里子「なるほど」
高橋「そのためには、ちゃんと断熱・気密性能がしっかりした家に住む必要がある。今までは、エアコンの性能だけが議論されてきましたけども、設備よりも前に建物がスカスカだと、(温めた、冷やした空気が)どんどん抜けていっちゃいますよね。だからもったいないことをしているよ、というお話なんです」
大竹「昔の家は、窓の隙間から風が入ってくるのは当たり前みたいな感じでしたよね」
高橋「最近作られたような家でも窓のサッシの素材って大体金属、アルミが多いですよね。ここのビルもそうだと思います」
大竹「これ、ダメですか?」
高橋「ええ、アルミサッシだと冬に触ると冷たくないですか?」
大竹・阿佐ヶ谷「冷たいですよ」
高橋「それに結露もありますよね。結露するとカビが生えやすくなっちゃうんです。カビが生えるとそれを餌とするダニが増えるんですよ。そうするとアレルギーが起こりやすくなったり、壁の中が腐ったりすることで家自体の耐久性も弱ってしまうということにもつながってしまうんです」
大竹「そもそもなんで結露が起こるんですか?」
高橋「窓ガラスとかサッシが冷たくなって室内を暖めようとすると、空気の中に水分がいっぱいたまって、それがぺちょっとつくわけですね」
大竹「結露するのは当たり前じゃないの?」
高橋「違うんですよ。僕はドイツで断熱の取材をしたんですけど、ドイツでは大工さんとか工務店が、結露しないとか、カビの生えない家をどうやって作るかを一生懸命まず考える。そういう研究所があるんですよ。結露するような家を建てたら、欠陥住宅だと言われてしまって、売った人や貸した人が裁判で訴えられたら負けちゃうんです」
大竹「日本のメーカー、たくさん負けますよ」
高橋「(笑)そうなんです。ほとんどだめなんですよ」
このあとは『エコハウス』に住んでいる高橋さんに体験談を伺います。トークの続きはradikoのタイムフリー機能でご確認ください。