作品賞は『オッペンハイマー』!最多7冠で有終の美
第96回アカデミー賞授賞式が11日(現地時間10日)に米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、作品賞にクリストファー・ノーラン監督の映画『オッペンハイマー』が輝いた。同作は作品賞、監督賞、主演男優賞(キリアン・マーフィ)、助演男優賞(ロバート・ダウニー・Jr)、撮影賞、編集賞、作曲賞と最多7部門で受賞を果たした。
『オッペンハイマー』は、“原爆の父”と呼ばれた米物理学者ロバート・オッペンハイマーの物語を壮大なスリラーとして描いた映画。人類最初の核実験「トリニティ実験」のシーンを含めCGショットゼロで作り上げるなど、ノーラン監督がビジュアル・音響を含めて圧倒的な劇場体験にこだわった本作は、日本公開前ながら、世界興行収入9億5,777万5,395ドル(約1,437億円)を記録する大ヒットとなっている。(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル150円計算)
これまでの映画賞レースでも常に先頭を走り、第76回全米監督組合賞(DGA)、第30回全米映画俳優組合賞(SAG)、第35回全米プロデューサー組合賞(PGA)というアカデミー賞の結果を占う上で重要視される三つの組合賞全てを制していた同作。見事アカデミー賞作品賞も獲得した上、最多7部門での受賞を果たし、有終の美を飾った。
なお、日本からは、スタジオジブリの宮崎駿監督作『君たちはどう生きるか』が長編アニメ映画賞を、山崎貴監督作『ゴジラ-1.0』が視覚効果賞を受賞する快挙となった。邦画の長編アニメ映画賞受賞は『千と千尋の神隠し』(宮崎監督作)以来21年ぶり2度目、視覚効果賞受賞は史上初となる。(編集部・市川遥)
第96回アカデミー賞の全受賞結果は以下の通り。
■作品賞
『オッペンハイマー』
■監督賞
クリストファー・ノーラン 『オッペンハイマー』
■主演男優賞
キリアン・マーフィ 『オッペンハイマー』
■主演女優賞
エマ・ストーン 『哀れなるものたち』
■助演男優賞
ロバート・ダウニー・Jr 『オッペンハイマー』
■助演女優賞
ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ 『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』
■長編アニメ映画賞
『君たちはどう生きるか』
■短編アニメ映画賞
『ウォー・イズ・オーバー! インスパイアード・バイ・ザ・ミュージック・オブ・ジョン・アンド・ヨーコ(原題) / War Is Over! Inspired by the Music of John & Yoko』
■脚本賞
ジュスティーヌ・トリエ&アルチュール・アラリ 『落下の解剖学』
■脚色賞
コード・ジェファーソン 『アメリカン・フィクション』
■撮影賞
ホイテ・ヴァン・ホイテマ 『オッペンハイマー』
■美術賞
『哀れなるものたち』
■音響賞
『関心領域』
■編集賞
ジェニファー・レイム 『オッペンハイマー』
■視覚効果賞
『ゴジラ-1.0』
■歌曲賞
「What Was I Made For?」『バービー』
■作曲賞
ルートヴィッヒ・ヨーランソン 『オッペンハイマー』
■衣装デザイン賞
ホリー・ワディントン 『哀れなるものたち』
■メイク・ヘアスタイリング賞
『哀れなるものたち』
■国際長編映画賞
『関心領域』 (イギリス)
■短編実写映画賞
『ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語』
■長編ドキュメンタリー賞
『実録 マリウポリの20日間』
■短編ドキュメンタリー賞
『ザ・ラスト・リペア・ショップ(原題) / The Last Repair Shop』
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