リモートワークの普及によるWeb会議や、移動中に音楽を聞く際など、もはや現代の暮らしにおいては必要不可欠な存在となったワイヤレスイヤホン。いざ購入しよう! となった際にあまりの種類の多さに何を選んだら良いのかわからなくなった……という経験がある方も多いのではないでしょうか。

 

じっくり音楽を聴くのに向いている機種、重量が軽く携帯性に優れている機種、優れたマイク性能でWeb会議に向いている機種などさまざまです。

 

今回記事でご紹介したいAnker「Soundcore AeroFit」はオープンイヤー型と呼ばれる「耳を塞がない」機種です。耳に引っ掛けて装着するイヤホンなので、装着したままでも外部の音を聴くことが可能です。

 

では具体的にどういったシーンで活躍するのか、GetNavi web編集部さんからお借りした1か月の間に筆者が使う中で感じたことをレビューしていこうと思います。

 

部屋のスピーカーから鳴る音を聞く感覚に近い

まずは簡単にスペックから確認してみましょう。

 

サイズ  約50×38×16mm(イヤホン本体 片耳)

重量   約8.5g(イヤホン本体 片耳)/約64.6g(充電ケース含む)

防水規格 IPX7

通信規格 Bluetooth 5.3

対応コーデック SBC/AAC

再生可能時間 最大11時間(イヤホン本体のみ)/最大42時間(充電ケース使用時)

充電時間 約1時間(イヤホン)/約2時間(充電ケース)

充電端子 USB Type-C

カラバリ ブラック/ホワイト/グレイッシュブルー/ピンク

価格 税込1万6990円(Amazon、2024年2月22日時点)。

 

充電端子は、最近のガジェット類ではおなじみとなったUSB Type-Cです。Androidユーザーに加えて、iPhone 15シリーズユーザーのみなさんも同じ充電ケーブルを使い回しできるようになりました。

 

普段はMacBookで仕事をしているのもあり、親和性の高さからAirPods Pro(第一世代)を使っている筆者。せっかくなので今回はSoundcore AeroFitをメインイヤホンとして移動中に音楽を聞いてみたり、Web会議に参加してみたりしてみました。

↑片耳約8.5gという軽量さ

 

本体を手に取ってみると、耳に引っ掛ける機構も含めるとAirPods Proの2倍ほどの大きさですが、その大きさを感じさせない軽さが引き立ちます。

 

これまで主流だった耳をしっかりと塞ぐカナル型イヤホンや、やはり耳に差し込むインナーイヤー型のイヤホンとは異なり、耳に引っ掛けるオープンイヤー形式の本機。従来のイヤホンのように直接鼓膜に音を届けるという方式は変わりませんが、耳の外から音を鳴らしているため、部屋のスピーカーから音を聞く感覚に近いと感じられました。

↑日常生活の範囲内なら落ちる心配もなし

 

デスクワークのほかに家事をしながら、あるいは屋外の移動の際もイヤホンが落下する心配はほぼありませんでした。ただ、ランニングなど激しめの運動をともなう際には上下に揺れて少し不安定になることも。動きをともなう際の装着感は、Shokz「OpenMove」などの骨伝導イヤホンに軍配が上がりそうです。

 

一方で骨伝導イヤホンは頭蓋骨を直接振動させて中耳に音を届ける方式であることから、音量によっては本体の微弱な揺れを肌で感じることもあります。それがくすぐったかったり、場合によっては不快に感じられたりということが過去にあったため、個人的には振動がなく・外の音を遮断しない方式のイヤホンというのは重宝しました。

 

なお Soundcore AeroFitの上位機種として発売されている「Soundcore AeroFit Pro」は着脱式のバンドが付属してくるため、ジムでのワークアウトやランニングなどの激しい運動をともなう際でもしっかりとホールドしてくれます。より安定した装着感を求めたい方は、こちらも候補としてあげてみてはいかがでしょうか。

↑Soundcore AeroFit ProのWebサイトから

 

radikoやPodcastと相性がいい

じっくり音を聞いてみると、カナル型イヤホンなどと比較してSoundcore AeroFitはどうしても低音の聞こえが弱めに感じられます。そんな中でもチタンコーティング振動板を搭載した14mmドライバーに加えて、サウンドに指向性をもたせる技術を搭載しているおかげで、想像していた以上に音のふくよかさは感じられます。長時間聞いていても疲れにくいのもうれしいポイントでした。

 

個人的におすすめの使い方は、radikoやPodcastなどの音声番組を聞きながらの作業です。Soundcoreアプリで調節できるイコライザーのプリセットにPodcastモードがあるため、パーソナリティの会話が聞き取りやすくなり、とても便利でした。

↑アプリを使って好みのイコライジングが可能

 

一方で人の多いカフェや公共交通機関の中での利用は、少し厳しい一面も感じられました。特に地下鉄車内での利用時は、スマートフォン側での音量を最大にしてようやく音が聞こえてくる程度。ここまで大きな音量に設定すると周囲への音漏れも心配なため、あまり利用することはありませんでした。

↑10分の充電で約4時間の音楽再生が可能に

 

バッテリーについては、ケースにしまい忘れ、いざ使おうと思ったらイヤホンが充電されてなかった……なんて経験がある方も多いはず。Soundcore AeroFitは10分間の充電で約4時間の音楽再生ができる急速充電に対応しているため、充電を忘れやすいうっかりさんでも安心です。

 

周囲の音を拾うけど、Web会議は相手に音を届けられて快適

普段はリモートワーカー兼アドレスホッパーとして、自宅を離れて仕事をすることが多い筆者。一日に数件の打ち合わせが入ることも珍しくなく、Web会議での快適な音声環境は仕事をするうえで重視したいポイントです。

↑ケースから本体を取り出し着用すると、スムーズにペアリングされる

 

Microsoft Teams、Google Meet、Zoomと各種Web会議サービスにおいて、本機を用いて会議に参加してみましたが、どのサービスでも安定的な接続がみられ、音が途切れたり・マイクが不具合を起こしたりといったことはありませんでした。2台の端末までマルチペアリングができるので、直前までスマートフォンで音楽を聞いていながら、時間になったらPCからWeb会議に参加する、なんてことも可能にしてくれます。

 

またWeb会議では相手の声を聞く環境も大事ですが、自分の声が相手にクリアに届いているかはもっと重要だというのは、筆者が声を大にして全リモートワーカーへ伝えたい気持ちです。ガビガビな音声、途切れ途切れの音声で発言している人と打ち合わせをするとなると、いつも以上に気疲れをしてしまいますからね……。

↑Soundcore AeroFitのWebサイトから引用

 

本機には 小さな本体ながら4つのビームフォーミングマイクを搭載しており、それらを使って周囲のノイズを除去するAIノイズリダクション機能を備えているため、通話相手へクリアな音声を届けることができます。

 

一方でマイク機能自体には指向性はないため、周りで会話をしている人の音声を拾ってしまうこともしばしばみられます。カフェやオフィスなど人が多いところでの通話には、注意して使用する必要がありそうです。

 

MacBookとの相性の面でいえばAirPodsシリーズに勝るものはないと思っていますが、一日数時間つけ続けるというのはなかなか疲れるものです。友人の中には一日中イヤホンをつけて会議に参加する日が続いたことにより、中耳炎一歩手前になったなんて人もいるほどでした。

 

その反面オープンイヤー型の本機はそういった心配もなく、また片耳8gという軽さから数時間続けて着用しても蒸れや疲労などを感じることはほとんどありませんでした。

↑メガネの着用時でも、問題なく使用が可能

 

メガネを着用した場合においても、基本的には干渉せずに併用することができます。しかしメガネの重さや装着具合によっては耳に負担がかかり、疲れを感じることもあるので留意が必要です。

 

まだ使ってない人はもったいない、イヤホンの新常識に触れてみて

 

オープンイヤー型のイヤホンという特徴柄、特定のシチュエーションにおいて活躍することの多いSoundcore AeroFit。今回お借りしている間、筆者はリモートワーク中のWeb会議への参加や、自宅で家事をしている間の「ながら聞き」に使うことが多くありましたが、子育て世代にとっては育児をしながらの「ながら聞き」にもちょうど良さそう! という意見も出ました。

 

これらのメリットは、オープンイヤー型イヤホンで言われてきたことではありますが、そうした良さをストレートに体感できたのがSoundcore AeroFitの魅力と言えるでしょう。オープンイヤー型イヤホンをまだ使ったことがないという人に、触ってみてほしい製品です。

 

オープンイヤー型のイヤホンはインナーイヤー型やカナル型と比較してまだまだ機種数は少なく、家電量販店などでの取り扱いや実機展示は少ないこともしばしば。やはりイヤホンという製品柄、人それぞれによって装着感も異なるため、実機をためしてから購入したいという方も多いですよね。その点Ankerから発売されているため、家電量販店などで手に取りやすいのは嬉しいポイントです。

 

日常生活のイヤホン需要をこれ一台に集約するというのは、少し難しい面もあるのは否めません。しかし用途を分けたうえで、パフォーマンスを発揮してくれるイヤホンだと感じられました。

 

耳を塞がない、というイヤホンの新体験。みなさんもぜひ一度手にとって試してみてはいかがでしょうか。

 

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