相談したいけど「話をまとめられない」 どうする? 心理カウンセラーに聞いた“悩み”をうまく伝えるコツ
仕事や私生活に関する悩みがあるときに、心理カウンセラーに相談してみたいと考えたことがある人は多いのではないでしょうか。ただ、中には「何を話したらよいのか分からない」「話すのが苦手で、話をうまくまとめられない」と感じる人もいるようです。
心理カウンセラーに自分の悩みをうまく伝える方法はあるのでしょうか。相談する際のコツや注意点などについて、心理カウンセラーの平井綾乃さんに教えていただきました。
「うまく話そう」と思わないこと
Q.カウンセリングのときに何を話したらいいのか分からなくなってしまった場合、どうすれば良いのでしょうか。
平井さん「分かりやすく言葉を並べようとせずに、まずは話しやすいところから始めていただいて大丈夫です。お話ししやすいようにこちらがガイドしていくのがカウンセラーの役割でもあるので、ご安心ください。
1つ指標を設けるとするなら、『今、一番困っていることは?』というのを考えていただけると、考えていることがシンプルになりやすいのかなと思います」
Q.話すのが苦手で、話をうまくまとめられない場合はどうしたらいいでしょうか。
平井さん「むしろ、『ちゃんと話そう!』『うまく話さなきゃ』と思わない方が良いと思います。なぜなら、うまく話そうと身構えてしまうと、『かえって本当に話したい内容から遠ざかり、言いたいことがぼんやりしてしまった』という結果になりがちだからです。
また、お話ししていただいたときの言葉や表現のチョイスのほか、『うまく内容をまとめられない』『話しづらい』といった情報もカウンセリングの上で非常に重要な情報となるため、自然に話していただいた方がこちらとしてもうれしいです」
Q.カウンセリングで悩みを話したら、どの程度解決するものなのでしょうか。
平井さん「これは正直なところ、悩みの内容によるところが大きいと思います。例えば、『転職の相談』『クリニックを受診した方がよいか』といった具体的な行動レベルのアドバイスであれば、結果がはっきりしているため、より解決に導きやすいのではないかと思います。
一方、相談者さま自身の内面に関わるお悩み、例えば、ご自身の性格や価値観、葛藤など長期的に悩まれているような内容の場合、1度のカウンセリングで解決することは難しいと思います。何度かお話しさせていただくことで、少しずつ状況が整理できたり、相談者さまの傾向などが見えてきたりすることもあるため、そういったお悩みの場合はすぐに結果が出ないと感じてしまうこともあるかもしれません。
また、お悩みの要因として、うつや発達障害など慢性的な精神疾患が含まれる人については、心理カウンセラーがより長期にわたって伴走しながらサポートを行うといった傾向にあります」
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何かを説明するときは「伝わるように話さなきゃ」と思いがちですが、カウンセリングの場では、自然体で話すことがカウンセラーにとって良い情報源になるのだそうです。
初めてカウンセリングを受ける場合はどうすれば良いのか不安に思うかもしれませんが、まずは自分が話しやすいことから伝えるように心掛けてみてはいかがでしょうか。