スマートフォンのOS市場はGoogleのAndroidとAppleのiOSの寡占状態になっていて、他のOSがないわけではないものの、二強の牙城を崩すには至っていません。一方で一部のユーザーは、クローズドのiOSやAndroidと異なり、オープンソースで開発されるLinuxをスマートフォンに導入するプロジェクトに取り組んでいます。テクノロジー系ブログのNix Sanctuaryが、Linuxを搭載するのにおすすめなスマートフォン5選を公開しています。

Escaping The Duopoly: Top Best 5 Linux Smartphones Without Performance and Security Excuses

https://nixsanctuary.com/escaping-the-duopoly-top-best-5-linux-smartphones-without-performance-and-security-excuses/

スマートフォンのカメラやGPS、LTEモデムなどのドライバーの多くがLinux用にリリースされたことがなく、一般的に流通しているOSであるAndroidとは環境が異なるため、システムをLinuxと適合させることは困難または不可能とされてきました。そのため、LinuxはサーバーやPCなどでの使用にとどまり、スマートフォン上でLinuxを動作させるのはかなり困難です。

それでも、Ubuntuのメンバーが開発するスマートフォン向けOS「PostmarketOS」や、UBports Foundationの「undefined」、「Droidian」などが開発されており、オープンソースでのスマートフォンへの対応が行われています。

これらのOSを動作させるのにNix Sanctuaryがおすすめするスマートフォンが以下。

◆Fairphone 4



CPUSnapdragon 750G 5GGPUAdreno 619ストレージ128GBまたは256GBメモリ6GBまたは8GBディスプレイ6.3インチIPS LCDネットワーク2G〜5Gバッテリー3905 mAh対応OSUbports、PostmarketOS価格729ドル(約10万7000円)〜

Fairphone 4は背面パネルが取外し可能で、一般ユーザーがバッテリーやメモリなどのコンポーネントを交換する際に、特別なツールや技術的知識が不要なモジュール式スマートフォンです。また、開発元のFairphoneは、スマートフォンに対し5年間の無料保証を約束しています。

◆PinePhone Pro



CPURockchip RK3399SGPUARM Mali T860 4xコアGPUストレージ128GB eMMCメモリ4GBディスプレイ6..0インチIPSネットワークGSM / CDMA / LTEバッテリー3000 mAh対応OS主要なLinuxディストリビューションをサポート価格399ドル(約5万8000円)

PinePhone ProはLinux導入用に設計されたスマートフォンで、前機種であるPinePhoneからプロセッサの高速化やメモリ容量の増加などが行われているとのこと。また、バッテリーは取外し可能で、ユーザーがバッテリーを手軽に交換することも可能です。

◆OnePlus 6



CPUSnapdragon 845(8コア)GPUAdreno 630ストレージ128GBまたは256GBメモリ6GBまたは8GBディスプレイ6.28インチAMOLEDネットワークGSM / CDMA / LTEバッテリー3300 mAh対応OSPostmarketOS価格110ドル(約1万6000円)

2018年5月時点でハイエンドスマートフォンの1つだったOnePlus 8は、暗所に弱いカメラ性能を除けば高速なプロセッサや大容量バッテリーなどの点で優れたスマートフォンとのこと。

◆Volla Phone X23



CPUMediaTek Helio G99 8コアGPUARM Mali-G57ストレージ128GBメモリ6GBディスプレイ6.1インチ IPSネットワークGSM / CDMA / HSPA / LTEバッテリー5000 mAh対応OSVollaOS、Ubuntu Touch価格564ユーロ(約9万円)

Volla Phone X23はユーザーが交換可能なバッテリーやIP68規格の防水・防塵性能を備えているだけでなく、データの暗号化やLinuxベースのOSであるUbuntu Touchを利用して、デスクトップ版のLinuxアプリを実行する機能などユニークな機能を有しています。

◆Xperia 1



CPUSnapdragon 855 8コアGPUAdreno 640ストレージ64GBまたは128GBメモリ6GBディスプレイ6.5インチ OLEDネットワークGSM / CDMA / HSPA / LTEバッテリー3330 mAh対応OSDroidian価格180ドル(約2万6000円)

Nix SanctuaryはXperia 1について「ディスプレイの最大輝度やバッテリー容量、ワイヤレス充電の非搭載などさまざまな問題があるものの、高いCPU性能や21:9という動画の視聴に優れたアスペクト比という長所があります」と述べつつも、「Droidianを導入しても、Xperia 1ではカメラのサポートが実装されていません」と指摘しています。